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採用コラム採用課題一覧【段階別12選】原因・解決策とロジックツリーの作り方を解説

最終更新日:2024年11月29日

「採用活動を行っているのに成果がでない」
「採用活動の効率の悪さにいつも悩まされる」

上記の課題をまとめて「採用課題」と呼びますが、その内容や原因は多岐にわたり、解決策も異なります。

本記事では、よくある採用活動の一覧とそれぞれの原因について、採用市場の動向も踏まえてまとめました。

自社の課題を見極めるためのツールや解決を導くためのポイントも解説していますので、採用課題の調査や解決にぜひお役立てください。

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採用課題とは

採用課題とは、企業の採用活動の効率が上がらないことや、成果が出ない要因のことです。採用課題の調査や解決に取り組む際、見落としがちな点が2つあります。

1つ目は、採用課題は多岐に渡り、採用活動の全工程に及ぶということです。採用課題は、採用が決定したあとで顕著になることもよくあります。

例えば内定辞退や早期離職が起こると、募集から採用活動をやり直すことになるため、採用活動の効率を著しく低下させます。

2つ目は、採用活動は経済や採用市場の動向などの影響を受けやすく、採用課題もそれに呼応して複雑化するということです。

そのため採用課題の特定や解決策は、自社と求職者を取り巻く状況を踏まえ、採用活動ごとに見極める必要があります。

自社の採用課題を的確にとらえるために、まずは採用課題が起こる背景と、よくある採用課題を押さえておきましょう。

採用課題に影響を及ぼす採用市場のトレンド

2026年における国内の採用市場は、引き続き売り手市場が続いています。

売り手市場においては、求人広告を出して応募を待つ従来のマス型採用では人材確保が難しいため、採用ターゲットに直接アプローチする個別採用を導入する企業が増えています。

代表的な個別採用の手法は以下の通りです。

  • ダイレクトリクルーティング:企業が求める人材に直接スカウトを送る
  • リファラル採用:企業の社員や知人のネットワークから候補者を紹介してもらう
  • アルムナイ採用:何らかの理由で自社を退職した人材を再雇用する

新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着くなか、面接や説明会においては対面式への回帰と、オンラインでの実施が活発化する傾向の両方が見られます。

今後は状況や目的に応じて、従来型の採用手法とデジタル手法のハイブリッド化が一層進むでしょう。

新卒採用においては採用活動の早期化が進むなか、学生と企業が早い段階から接点を作れるインターンシップの重要性が高まっています。

25年卒からは、就業体験を必須とする新しいインターンシップの定義が適用されています。

新定義において一定の条件を満たすインターンシップでは、取得した学生情報を広報活動・採用選考活動の開始時期以降に活用できます。

中途採用においては、専門スキルを持つ人材の需要が高まっています。特にIT人材は少子高齢化の影響で減少・高齢化が進み、獲得競争の激化が進むと予測されています。

採用ミスマッチを防ぐために、スキルの専門化・高度化に見合う給与体系や柔軟な勤務形態を整備していくことも企業側の課題の1つです。

参考:
一般職業紹介状況(令和8年7月分)について|厚生労働省
令和5年度から大学生等のインターンシップの取扱いが変わります|厚生労働省
- IT人材需給に関する調査 - 調査報告書|経済産業省

【厚生労働省データ】採用課題の背景にある3つの数値

求人が求職者を上回る状態が続き、採用課題は「集まらない」と「辞める」に集中しやすくなっています。

背景を数値で確認しておくと、自社の課題が市場全体の傾向なのか、自社固有の問題なのかを切り分けやすくなります。

厚生労働省の統計から、押さえておきたい3つの数値を整理しました。

指標 数値 意味
有効求人倍率(季節調整値) 1.18倍(令和8年7月) 求職者1人に対して1.18件の求人がある
欠員率・未充足求人数 2.6%・1,359.5千人(令和7年6月末) 常用労働者100人あたり2.6人分の求人が埋まっていない
大卒3年以内離職率 33.8%(令和4年3月卒業者) 新卒の3人に1人が3年以内に離職している

※出典:一般職業紹介状況(令和8年7月分)について |厚生労働省

※出典:令和7年上半期雇用動向調査結果の概要 |厚生労働省

※出典:新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します|厚生労働省

 

求人倍率と欠員率が示すのは、募集段階の「応募が集まらない」が構造的に起きやすい状況です。

一方、3人に1人が3年以内に離職する現実は、内定〜入社後の課題の大きさを表しています。採用課題は募集から定着まで、一連の流れでとらえる必要があります。

【段階別】主な採用課題の一覧と原因

自社の採用課題を発見するには、採用課題の全体像を押さえておくことが大切です。

本章では採用フローの段階別に、新卒採用にも中途採用にも共通する主要な採用課題一覧とそれぞれの原因について解説します。

  1. 募集段階における採用課題
  2. 選考段階における採用課題
  3. 内定~入社後の採用課題
  4. 採用活動全体に関わる採用課題

12の採用課題を、主な原因と対応する解決策とあわせて一覧にしました。解決策の番号は「採用課題を解決するためのポイント9選」に対応しています。

 

段階 採用課題 主な原因 対応する解決策
募集 ①応募が集まらない 求人の訴求力不足、認知度の低さ、要件の高さ ポイント①②③
②応募が多すぎる 要件が広すぎる、ターゲット未設定、対応リソース不足 ポイント①⑧
③求める人材からの応募がない 人物像が曖昧、媒体・手法がターゲットに合っていない ポイント①③
④スカウトの返信率が低い 画一的な文面、対象リストの精度、送信数不足 ポイント②③⑧
選考 ①選考中の辞退者が多い 選考期間の長さ、連絡の遅さ、魅力づけ不足 ポイント④⑤⑥
②面接の不合格者が多い 人事・面接官・経営層の採用基準のずれ ポイント①⑥
③面接官によって評価基準がばらつく 評価項目・基準の未整備、面接官の経験差 ポイント①⑥
内定〜入社後 ①内定辞退が多い 内定後の連絡不足、面接と求人内容のギャップ ポイント④⑤⑦
②入社後の定着率が低い 入社前後のギャップ、フォロー不足 ポイント②④⑦
③配属先での活躍が見られない 企業風土とのミスマッチ、配属・フォローの連携不足 ポイント⑦⑨
採用活動全体 ①採用コストが高い チャネル別の費用対効果が未把握、辞退・離職によるやり直し ポイント③⑧
②担当者の工数・ノウハウが不足している 兼任・少人数体制、採用データの未蓄積 ポイント⑧⑨

自社に当てはまる課題に印をつけ、次の各項目で原因を確認してください。

募集段階における採用課題

募集段階における採用課題は4つあります。

  1. 応募が集まらない
  2. 応募が多すぎる
  3. 求める人材からの応募がない
  4. スカウトの返信率が低い

それぞれの採用課題が起こる原因を見てみましょう。

①応募が集まらない

求人広告を出しても応募がない、または、応募はあっても形成したい母集団の人数を満たせない問題です。

応募が集まらないことには次のステップに進めないため、早急に対応しておきたい問題といえます。

応募者が集まらない主な原因は、求人広告の訴求力の弱さや認知度の低さです。求人を見て「この企業で働いてみたい」と思えるよう、待遇や労働環境、社風などの魅力を伝える工夫が必要です。

即戦力となる人材を求める中途採用において、要件のレベル設定が高すぎると応募は集まりにくくなります。

また、優秀な人材はスカウトやヘッドハンティングで転職が決まるケースも多いため、そもそも中途採用市場に情報が出回りにくいことも踏まえて対策が必要です。

→ 対応する解決策:ポイント①②③

②応募が多すぎる

「応募が集まらない」と反対に、応募者が多すぎることが採用課題になることもあります。

採用人数に対して応募が多すぎる場合は、自社のリソース不足により対応が追いついていない可能性が高いでしょう。

また、要件を広く設定しすぎていたり、ターゲットが絞り込めていなかったりすることも原因の1つと考えられます。応募者に求める質と量のバランスを考えて、要件を見直す必要があるでしょう。

→ 対応する解決策:ポイント①⑧

③求める人材からの応募がない

応募はそれなりにあるものの、選考の過程で自社が求める人物像とは異なっているケースです。

主な原因として、採用ターゲットの要件や人物像が明確になっていないことが考えられます。また、求人媒体や方法が採用ターゲットに適しているか、見直しが必要です。

中途採用では特に、採用部署が求めるスキルを把握して求人広告や採用活動に反映しないと、ターゲット層以外の応募者対応に追われることとなります。

中途採用は新卒採用と比べて採用期間も短いため、求める人材に向けて効率的にアピールする方法を選ぶことが重要です。

→ 対応する解決策:ポイント①③

④スカウトの返信率が低い

ダイレクトリクルーティングでスカウトを送っても、返信がほとんど来ないケースです。

返信が少ないまま送信数だけが増えると、担当者の工数が膨らみやすくなります。

主な原因は、文面が画一的で「自分宛て」と感じられないことです。対象リストの精度が低く、要件に合わない人に送っている可能性もあります。

また、担当者のリソース不足で送信数そのものが足りていないケースも少なくありません。

スカウトは、誰に・何を・どれだけ送るかを分けて見直すと改善しやすくなります。

→ 対応する解決策:ポイント②③⑧

選考段階における採用課題

選考段階における採用課題は主に3つあります。

  1. 選考中の辞退者が多い
  2. 面接の不合格者が多い
  3. 面接官によって評価基準がばらつく

それぞれの採用課題が起こる原因を見てみましょう。

①選考中の辞退者が多い

書類選考は通過したけれど説明会や一次選考に参加しなかったり、面接まで進んだけれど辞退したりする応募者が多いケースです。

母集団の形成からやり直さなくてはならないため、採用活動の効率が落ちてしまいます。

考えられる原因の1つは、選考期間が長すぎ、その間に他社の内定が決まってしまうことです。

選考結果の通知や連絡、問い合わせへの対応が遅く、不安を感じたり採用の見込みがないと判断したりした応募者があきらめるケースもあります。

また、魅力づけが十分でなかったため、条件面は大差がなくてもアピールが上手な企業に応募者を奪われている可能性もあるでしょう。

→ 対応する解決策:ポイント④⑤⑥

②面接の不合格者が多い

書類選考を経て面接するものの、大量に不合格者が出てしまうケースです。

また、人事や採用部署の担当者による面接通過者は多くても、最終的に役員面接で減ってしまうケースもあります。

上記の場合、採用担当者と面接官の間で、または人事と採用部署や経営層の間で採用ターゲットの認識がずれていることが主な原因です。

後述の歩留まり率の算出方法を参考に、どの段階に課題があるのか見直し、対策を練る必要があるでしょう。

→ 対応する解決策:ポイント①⑥

③面接官によって評価基準がばらつく

同じ候補者でも、面接官によって評価が大きく分かれるケースです。

一次面接の通過者が最終面接で大量に不合格になる場合も、この課題が隠れている可能性があります。

主な原因は、評価項目と合否の基準が言語化されていないことです。面接官の経験差や、評価シートが整備されていないことも影響します。

採用ターゲットと評価基準を人事と面接官で共有し、同じ物差しで判断できる状態を作りましょう。

→ 対応する解決策:ポイント①⑥

内定~入社後の採用課題

内定~入社後に起こりがちな採用課題は主に3つあります。

  1. 内定辞退が多い
  2. 入社後の定着率が低い
  3. 配属先での活躍が見られない

それぞれの採用課題が起こる原因を見てみましょう。

①内定辞退が多い

内定を出しても承諾率が低く、採用に至らないケースです。内定者確保までには多くのリソースを投入しているため、早急に対策したいと考える担当者も多いでしょう。

原因は内定後の連絡対応の遅れやコミュニケーション不足により、内定者が入社に対する不安を抱くことが考えられます。

また、面接官の話と求人広告の記述にギャップがあったり、面接での魅力づけが十分でなかったりすると、内定通知をもらっても辞退する要因となるでしょう。

→ 対応する解決策:ポイント④⑤⑦

②入社後の定着率が低い

入社してもすぐに辞めてしまう社員が多く、定着率が伸びないケースです。

早期離職の主な原因として、入社前の認識と現実のギャップが耐え難く大きかったと考えられます。

このようなギャップによる早期離職が頻発する場合は、採用活動におけるアピール方法の見直しが必要です。

採用課題の解決において、自社の魅力づけは重要な対策の1つです。よい面だけを強調するのではなく、課題も含めてありのままの企業の姿を正直に伝えてファンになってもらうことが、ミスマッチによる早期離職を防ぐことにつながります。

→ 対応する解決策:ポイント②④⑦

③配属先での活躍が見られない

スキルや経験を重視して採用したにもかかわらず、配属先で期待したほどの活躍が見られないケースです。

中途採用に多く見られる採用課題で、主に企業風土とのミスマッチが原因で職場に馴染めず、スキルを活かせていない可能性が高いでしょう。

入社者が新しい社風を理解して馴染むまでには時間を要します。入社者の適性や意向も踏まえて配属部署を決定するとともに、人事と配属先が連携してフォローにあたることが大切です。

→ 対応する解決策:ポイント⑦⑨

採用活動全体に関わる採用課題

特定の段階ではなく、採用活動全体の効率に影響する課題も2つあります。

  1. 採用コストが高い
  2. 担当者の工数・ノウハウが不足している

それぞれの採用課題が起こる原因を見てみましょう。

①採用コストが高い

採用単価が上がり続けている、または媒体費をかけても採用に至らないケースです。

1人を採用するためにかかった費用は、活動全体の効率を測る指標になります。

主な原因は、チャネル別の費用対効果を把握していないことです。辞退や早期離職でやり直しが発生すると、コストはさらに膨らみやすくなります。

要件と媒体が合っていない場合も、応募単価が上がる要因になります。

まず歩留まり率を算出し、費用が無駄になっている工程を特定しましょう。計算方法は「歩留まり率の計算式と算出例」で解説しています。

→ 対応する解決策:ポイント③⑧

②担当者の工数・ノウハウが不足している

採用担当者が兼任で、候補者対応や選考の判断が遅れがちになるケースです。

選考データが残らず、担当者が交代すると運用が止まってしまう企業も少なくありません。

主な原因は、少人数・兼任の体制と、採用データや基準が社内に蓄積されていないことです。

業務が属人化していると、改善のノウハウも個人に留まりやすくなります。

外部の力を借りて業務を切り分け、社内に残す判断と記録を仕組み化することが解決の糸口です。

→ 対応する解決策:ポイント⑧⑨

新卒採用と中途採用で異なる採用課題

課題の種類は共通でも、起こりやすい段階と原因は新卒と中途で異なります。

新卒は母集団形成と内定期間の長さ、中途は要件の高さと選考スピードが課題になりやすいためです。

段階ごとの違いを整理すると、以下のとおりです。

段階 新卒採用で起こりやすい課題 中途採用で起こりやすい課題
募集 認知度不足、採用活動の早期化による母集団形成の遅れ 要件の高さ、市場に出ない人材へのアプローチ、スカウトの返信率
選考 選考の長期化による離脱、ポテンシャル評価のばらつき 選考スピードの競争、現場と人事の基準のずれ
内定〜入社 内定期間が長く、辞退リスクが続く 入社時期の調整、条件面のギャップ
入社後 早期離職(大卒3年以内離職率33.8%)、育成の負荷 配属先とのミスマッチ、即戦力への期待とのギャップ

新卒と中途の両方を行う企業は、課題を分けて管理すると打ち手が明確になります。

採用課題の調査・発見方法|歩留まり率の算出

採用フローのどの段階に解決すべき採用課題があるかを調査したい場合は、歩留まり率を算出してみるとよいでしょう。

採用活動における歩留まり率とは、採用ステップを進んだ人の割合をパーセンテージで表したものです。

歩留まり率が高いということは、各採用ステップ通過した候補者が多く、採用活動の効率も高いことを意味します。

一方で、歩留まり率が想定していた数値より低い場合は離脱者が多いことを示し、その工程に課題が潜んでいる可能性が高いでしょう。

歩留まり率の計算式と算出例

歩留まり率は、工程ごとに「次に進んだ人数÷前の工程の人数」で求めます。

工程ごとに分けて計算すると、どこで候補者を失っているかが数字で見えるためです。

歩留まり率(%)=次の工程に進んだ人数 ÷ 前の工程の人数 × 100

応募100人のモデルケースで計算すると、以下のようになります。

工程 人数 歩留まり率
応募 100人 ―
書類通過 50人 50%
一次面接実施 35人 70%
最終面接実施 20人 57%
内定 8人 40%
内定承諾 5人 63%

※歩留まり率は小数点以下を四捨五入。計算例であり平均値ではありません

歩留まり率が低い工程が見つかったら、次の表で疑うべき課題を確認してください。

低い工程 疑う採用課題
書類通過率 求める人材からの応募がない/応募が多すぎる
面接実施率 選考中の辞退者が多い(連絡の遅さ)
面接通過率 面接の不合格者が多い/面接官によって評価基準がばらつく
内定承諾率 内定辞退が多い
入社後の定着率 入社後の定着率が低い

平均値と比べるより、自社の前回・前年との差で見ると課題が見つけやすくなります。

歩留まり率の考え方や改善方法は「採用における歩留まりとは?計算方法・平均値・改善方法を解説」でも詳しく解説しています。

採用課題の分析や解決策を導く方法|ロジックツリー

本章では、自社の採用課題の把握や分析に役立つ手法として、ロジックツリーを紹介します。

ロジックツリーとは、課題をツリー状に整理し、その原因や解決方法を導き出すフレームワークです。一般的には左側にトピックを書き、右側に向かって課題や解決策を展開させます。

ロジックツリーには3つのパターンがあります。

  1. 課題の全体像の把握
  2. 原因の掘り下げと分析
  3. 解決策のブレーンストーミングと絞り込み

前章では一般的な採用課題を紹介しましたが、自社にとって重要性や緊急度が高い採用課題を一覧にしたい場合は、パターン①が有効です。

上記の場合、トピックを「当社の採用課題」として、自社にとっての採用課題をツリー状に洗い出します。前章で紹介したように採用活動の段階別に整理すると見やすく、共有しやすいでしょう。

①で洗いだした1つ1つの採用課題について原因を探る場合は、パターン②が有効です。

例えばトピックを「内定辞退の原因は?」と設定し、なぜそれが起こるのかをツリー状に洗い出します。

「通知や返信が遅い」という原因が出てきたら、その理由をさらに掘り下げて分析を進めましょう。

パターン③のロジックツリーを活用して、解決策を導き出すことも可能です。

トピックには「候補者対応のスピードアップ」のように解決したい課題を設定し、ツリー状に解決のためのアイデアを展開させます。

ブレーンストーミングのコツは、些細なアイデアや飛躍したアイデアも除外せず、記録することです。思いつく限りのアイデアを絞り出してから取り組みの優先順位をつけましょう。

ロジックツリーの作り方5ステップ

ロジックツリーは、次の5つのステップで作れます。

問いを1つに絞り、事実で裏づけながら展開すると、抜け漏れの少ない分析になるためです。

  1. トピック(問い)を1つに決める(例:「なぜ内定辞退が多いのか?」)
  2. 第1階層を、漏れなく重複なく分ける(採用の段階別、社内・社外の要因別など)
  3. 「なぜ?」(原因分析)または「どうやって?」(解決策)で右へ展開する(3階層までが目安)
  4. 歩留まり率や候補者アンケートなどの事実で、各要因を裏づける
  5. 優先順位をつけて、施策に落とし込む

ステップ5の優先順位のつけ方は「洗い出した採用課題に優先順位をつける方法」で解説します。

【作成例】原因分析のロジックツリー(内定辞退が多い)

本文で挙げた「内定辞退の原因は?」を例に、原因分析のツリーを展開します。

第2階層まで掘り下げると、確認すべき事実と対応するポイントが見えてきます。

第1階層(なぜ辞退したか) 第2階層(さらになぜ) 確認する事実・対応するポイント
志望度が上がらなかった 面接での魅力づけが不足していた 面接官アンケート/ポイント⑥
求人内容と面接での説明にギャップがあった 募集要項と面接資料の照合/ポイント②
他社の条件が上回った 給与・勤務地などの条件差 辞退理由の聞き取り/ポイント①
他社の内定が先に出た 応募から内定までの日数/ポイント⑤
内定後の不安が解消されなかった 通知や返信が遅く、放置されたと感じた 内定〜入社の連絡回数/ポイント⑤⑦
配属先・仕事内容が見えなかった 内定者面談の実施有無/ポイント⑦

事実で裏づけられた要因だけを残すと、打ち手が絞れます。

【作成例】解決策のロジックツリー(候補者対応のスピードアップ)

本文で挙げた「候補者対応のスピードアップ」を例に、解決策のツリーを展開します。

「どうやって?」で枝分かれさせ、最後に実行しやすさで絞り込みます。

第1階層(どうやって) 第2階層(具体策) 実行しやすさ
判断を速くする 合否基準を面接前に合意しておく ○
面接当日に評価を共有する場を設ける ○
連絡を速くする 連絡文面をテンプレート化する ○
「24時間以内に返信」のルールを決める ○
採用管理システムの自動通知を使う △
工程を減らす 面接回数を見直す △
日程調整を一括で行う ○

○:すぐに着手できる/△:準備や調整が必要

○の多い枝から着手し、△は中長期の計画に回します。優先順位のつけ方は次の項目で解説します。

洗い出した採用課題に優先順位をつける方法

採用目標へのインパクトと実行しやすさの2軸で並べると、着手する順番が決まります。

全ての課題に同時に取り組むとリソースが分散し、どれも中途半端になりやすいためです。

実行しやすい 実行が難しい
インパクト大 最優先で着手する 計画を立てて中長期で取り組む
インパクト小 手が空いたときに対応する いったん保留にする

判断の観点は以下の3つです。

  • 採用目標の達成への影響度
  • 必要なリソースと期間
  • 短期で効く施策か、中長期の施策か

優先度が決まったら、次章のポイント9選から対応する施策を選びましょう。

採用課題を解決するためのポイント9選

自社の採用活動の効率を低下させている採用課題を特定したら、1つずつ解決していきましょう。

本章では、採用課題を解決するために押さえておくべきポイントを9つ紹介します。

  1. 採用ターゲットを明確にする
  2. 採用ターゲットに向けて自社の魅力を発信する
  3. 自社と採用人材にとって最適な手法を使う
  4. 求職者の目線で採用プロセスを見直す
  5. 選考や応募者対応のスピードを改善する
  6. 面接官トレーニングを行う
  7. 内定者・入社者フォローを徹底する
  8. 採用代行(RPO)を活用する
  9. 自社の採用力向上に取り組む

レジェンダ担当者のコメント

弊社には採用課題についてのご相談がよく寄せられますが、課題を特定するためにはたくさんのヒアリングをさせていただきます。

複数の視点で分析することにより、採用担当者の方が気づいていない課題を発見したり、優先度の高い課題を見極めたりすることが可能になるからです。

「自社で検討していた採用課題が実は違っていた」というお声をちょうだいすることもあります。採用課題は複数の問題が絡み合っていることもあり、社内の視点だけでは、客観的に特定しにくいことがあります。外部の視点を取り入れて俯瞰しながら課題を特定することをお勧めいたします。

各ポイントがどの採用課題に効くかを整理しました。

ポイント 主に対応する採用課題
①採用ターゲットを明確にする 応募が集まらない/応募が多すぎる/求める人材からの応募がない/面接の不合格者が多い/面接官によって評価基準がばらつく
②採用ターゲットに向けて自社の魅力を発信する 応募が集まらない/スカウトの返信率が低い/入社後の定着率が低い
③自社と採用人材にとって最適な手法を使う 応募が集まらない/求める人材からの応募がない/スカウトの返信率が低い/採用コストが高い
④求職者の目線で採用プロセスを見直す 選考中の辞退者が多い/内定辞退が多い/入社後の定着率が低い
⑤選考や応募者対応のスピードを改善する 選考中の辞退者が多い/内定辞退が多い
⑥面接官トレーニングを行う 選考中の辞退者が多い/面接の不合格者が多い/面接官によって評価基準がばらつく
⑦内定者・入社者フォローを徹底する 内定辞退が多い/入社後の定着率が低い/配属先での活躍が見られない
⑧採用代行(RPO)を活用する 応募が多すぎる/スカウトの返信率が低い/採用コストが高い/担当者の工数・ノウハウが不足している
⑨自社の採用力向上に取り組む 配属先での活躍が見られない/担当者の工数・ノウハウが不足している

①採用ターゲットを明確にする

採用課題の解決において、基本であり最も重要であるのが、採用ターゲットを明確化と共有です。求める人物像の認識を人事、採用部署、経営層で共有できていれば、歩留まり率の悪化やミスマッチを防げます。

採用ターゲットを策定する際は、ペルソナで設定するのがポイントです。以下の項目を参考に、「こんな人と働きたい」と思えるペルソナを検討してみてください。

  • 年齢・性別
  • 居住地や住居形態
  • 家族構成
  • 人間関係
  • スキルや経験
  • 趣味・嗜好
  • 休日の過ごし方
  • 価値観・目標・行動

②採用ターゲットに向けて自社の魅力を発信する

採用ターゲットが具体的に描けたら、その人物に向けて求人広告やSNS、オウンドメディア等で自社の魅力をアピールします。

企業の魅力を表現する際、よいところを羅列しても、ターゲットには刺さりません。魅力のリストから採用ターゲットにとって訴求力の高い魅力を絞り込みましょう。

採用ターゲットと年齢や属性が近い社員から見た魅力を発信すると、共感を呼びやすいでしょう。

③自社と採用人材にとって最適な手法を使う

採用手法やツールは、採用トレンドや求職者のニーズも踏まえて精選しましょう。

例えば採用ターゲットが高スキル人材の場合、総合型の求人媒体よりも業界に特化した媒体でスカウトを送ったり、人材紹介サービスを活用したりするほうが高い効果を得られます。

また、目的やターゲットに応じてオンライン面接やSNS採用を取り入れるのもよいでしょう。スピードが重視される採用活動において有効なツールであり、コストも抑えられます。

④求職者の目線で採用プロセスを見直す

数ある候補のなかから自社を選んでもらうには、採用プロセスにおいて求職者によい体験を提供し、企業のファンになってもらうことが重要です。

この取り組みを採用CX(Candidate Experience)といいます。

例えば募集要項を見た候補者が「業務内容に興味はあるけれど、要件のレベルが高すぎる」「ノウハウも実績も必要なら、あきらめよう」とネガティブにとらえてしまう場合、採用CXの改善が必要です。

一方で、採用CXがうまく進んでいる場合は、以下のように候補者のポジティブな感情や行動を促すことが可能になります。

  1. 「研修やサポート体制が充実しており、未経験者にも開かれている」
  2. 「学びながらチャレンジしてみたい」
  3. 「業界は違うけれど、前職のマネージャーの経験は活かせそうだ」

採用CXを高めるには、以下のポイントを押さえておくことが大事です。

  • 採用ターゲットを明確にしたうえで、候補者のニーズをリサーチする
  • 候補者のニーズを満たせるよう、提供するコンテンツを工夫する
  • 合否に関わらず、ポジティブな魅力を印象づける

この企業に関わりたいと思うファン層の形成は、長期的に見て採用ミスマッチを防ぎ、定着率を上げるために有効な対策となるでしょう。

⑤選考や応募者対応のスピードを改善する

採用活動において、スピーディーに対応することは候補者を他社に奪われないための重要なポイントです。

求職中の候補者は今後についての不安を抱えているため、選考が長引いたり通知や連絡が遅れたりすると、レスポンスの早い他社に流れることがよくあります。

選考工程は慎重かつ丁寧に行いたいものですが、スピードの早さでも他社に負けないよう改善して、候補者の辞退や離脱を防ぎましょう。

⑥面接官トレーニングを行う

面接は企業が求職者を選考する場であると同時に、求職者が面接官を通して企業を評価・判断する場でもあります。

そのため、面接官には本来の仕事に加えて、企業の魅力づけの役割があることを認識して臨むことが重要です。

面接力と魅力づけのスキルを高めるには、面接官トレーニングを行うとよいでしょう。

面接官トレーニングを通して、人事と面接官の採用ターゲット像や採用基準の認識のずれも是正できます。

⑦内定者・入社者フォローを徹底する

内定離脱や早期離職が多い場合は、母集団の形成から選考過程におけるミスマッチを防ぐとともに、内定者や入社者のフォローを徹底するとよいでしょう。

内定から入社までの間、新卒採用の場合は他にもっと適した職があるのではないか、中途採用の場合は転職が正解なのかどうか、不安を感じながら過ごします。

そのため、こまめに連絡を取って不安の解消に努めることが大切です。

入社説明会や交流会を開催すると、入社者が先輩社員との触れ合いを通じて職場の雰囲気や働き方をイメージしやすくなります。

また、職場に対する安心感や期待感を高めておくことで就業がスムーズになり、帰属意識の醸成にもつながるでしょう。

⑧採用代行(RPO)を活用する

自社内で採用課題の特定や見直しが難しいと感じる場合は、採用代行(RPO)サービスを活用してみるのもおすすめです。

採用代行を導入することで、採用担当者が抱える工数を減らし、コア業務に専念でききる体制をつくれます。

また、自社の採用課題の分析から採用計画の改善まで、知識や経験が豊富な専門家のサポートを得られることも大きな魅力です。

採用代行(RPO)に興味がある方は、「採用代行とは?業務内容・人材紹介の違いから利用のポイント7選を解説」の記事から委託可能な業務内容や期待できる効果などについてチェックしてみてください。

⑨自社の採用力向上に取り組む

採用活動は企業が存続する限り行われます。そのため、採用課題を根本から改善したい場合は、中・長期的な視野で企業の採用力を高めることが大切です。

前項で紹介した採用代行(RPO)を活用すると、業務のアウトソーシングによる採用活動の効率化に加え、採用の仕組みづくりや運用もプロにサポートしてもらえます。

また、導入してプロのノウハウを学べば、将来は自立的に効率的かつ効果的な採用活動を継続していけるでしょう。

採用代行(RPO)の導入を検討する場合は、「採用代行(RPO)のメリットとデメリット!選定のポイントや事例も解説」の記事でメリットやデメリット、費用相場なども参考にしてください。

採用課題に関するよくある質問

最後に、採用課題について担当者からよく寄せられる質問に回答します。

課題の例から着手する段階、企業規模や採用区分による違いまで、本文の内容を短くまとめました。詳しい解説は、各回答の末尾で案内している章をご覧ください。

  • Q:採用課題の例にはどのようなものがありますか?
  • Q:採用課題はどの段階から改善すべきですか?
  • Q:中小企業に多い採用課題は何ですか?
  • Q:新卒採用と中途採用で採用課題はどう違いますか?

Q:採用課題の例にはどのようなものがありますか?

A:採用の段階別に、12の課題があります。

代表的な例は3つあります。募集段階の「応募が集まらない」、選考段階の「選考中の辞退者が多い」、入社後の「定着率が低い」です。

12の課題と原因、対応する解決策は「【段階別】主な採用課題の一覧と原因」の一覧表にまとめています。

Q:採用課題はどの段階から改善すべきですか?

A:歩留まり率が最も低い工程から着手するのが基本です。

離脱が集中している工程を直すと、少ない労力で採用人数に直結する効果が出やすいためです。

迷う場合は、募集より先に選考・内定段階の離脱を止めることをおすすめします。せっかく集めた候補者を失うことが、最も大きな損失になるためです。

計算方法は「歩留まり率の計算式と算出例」をご確認ください。

Q:中小企業に多い採用課題は何ですか?

A:知名度による応募不足、担当者の兼任による対応の遅れ、媒体費の制約の3つが多く見られます。

大手と同じ土俵で競うと、認知度と予算の差がそのまま結果に出やすいためです。

対策は3つあります。採用ターゲットを絞り込むこと、リファラル採用やスカウトで直接アプローチすること、外部の力を借りて工数を補うことです。

詳しくはポイント①③⑧をご確認ください。

Q:新卒採用と中途採用で採用課題はどう違いますか?

A:新卒は母集団形成の早期化と内定期間の長さ、中途は要件の高さと選考スピードが課題になりやすい点が違います。

採用の時期や候補者の判断軸が異なるためです。

段階ごとの違いは「新卒採用と中途採用で異なる採用課題」の表で整理しています。

まとめ:自社の採用課題を的確にとらえ、対策を行いましょう

採用課題は採用活動の全工程に及び効率を低下させる要因のことで、経済状況や業界の動向、採用市況の変化などの影響を受けやすいことが特徴です。

そのため、自社や求職者を取り巻く現状を踏まえ、採用活動の効率を低下させる要因を的確に見極めることが解決の早道です。

本記事では、自社の採用課題とその原因を探るための参考として、よくある採用課題の一覧とそれぞれの原因について解説しました。

また、採用課題が潜む工程を特定するのに役立つ「歩留まり率」の算出方法や、課題の現状把握・分析・解決方法の検討に役立つ「ロジックツリー」も紹介しました。

最後に、採用課題の解決を考えるためのポイントを再掲します。

  1. 採用ターゲットを明確にする
  2. 採用ターゲットに向けて自社の魅力を発信する
  3. 自社と採用人材にとって最適な手法を使う
  4. 求職者の目線で採用プロセスを見直す
  5. 選考や応募者対応のスピードを改善する
  6. 面接官トレーニングを行う
  7. 内定者・入社者フォローを徹底する
  8. 採用代行(RPO)を活用する
  9. 自社の採用力向上に取り組む

リソースやノウハウ不足などの理由で解決が困難な場合は、「採用代行(RPO)」を活用し、業務の効率化を図るとともに、課題解決のコンサルティングやサポートを受けるのもおすすめです。

採用課題について詳しく相談してみたい方、採用代行(RPO)の導入に興味を持った方は、当社までぜひお問い合わせください。

この記事の監修者

中津川
セールス&マーケティング部 統括リーダー

■経歴
レジェンダ・コーポレーションに入社後、外資IT大手・メーカー等の新卒・中途の採用アウトソーシング、コンサルティングを担当。その後、広報、セールスを経て、現在はマーケティングに従事。インナーブランディング・Webマーケティング企画実行を担当している。

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