面接官トレーニング | “実際の学生とのロープレ”など カスタマイズした面接官トレーニングで、 しっかり面接手法を習得できました! |
事業内容 | 流通業 |
採用人数 | 80名 |
面接官人数 | 50名 (一次面接官) |
課題 | 面接官を2年以上連続で行う人が少なく、面接初心者に面接手法を身につけてもらいたい。 面接官によって評価基準が異なり、優秀の定義が曖昧。 変革人材を採用するため評価基準を設定したい。 現場のやりがいを一次面接で伝えるために、現場の中堅社員が面接官。 面接官と学生の年齢的な距離を埋めたい。 |
当社は流通業で、新卒採用人数は約80名です。面接は個人面接を3回行っており、時期は毎年4月から6月までです。当社の求める人物像は、変革人材です。変革人材とは、リーダーとファシリテーターの間のイメージで、具体的には、協調性を保ちながら、意見を上手く引き出し本質に迫り、論理的にまとめる力がある人材を指しています。
しかし、一次面接で合格になる学生は、愛想だけが良い学生多い状況でした。一次面接は各地域で行っており、その面接官の人数は50名になります。一次面接官は現場の中堅社員に依頼しているのですが、その背景として、現場の生の話を学生に知ってもらい、その話で学生を動機づけしたいと思っているからです。ただ、現場の社員は異動することも多いので、2年連続面接官になる人が少なく、毎年初めて面接を行う社員がいます。
変革人材を採用する為に、一次面接の評価基準を統一させたいと思ったのがきっかけです。一次面接官の評価では優秀なのですが、その基準がばらばらでした。どうにかして評価基準を統一させたかったのですが、社内ではそのノウハウもなく、迷っていました。評価目線を合わすために面接開始前の2~3月に、各地域の現場社員に人事社員から面接手法を教えられると良いのですが、2~3月は採用説明会で忙しい時期です。他にも社員考課・昇格検討、新入社員受入れ、組織変更などで1年の中でも最も多忙な時期で、余裕はありません。
そこで、短期間でより効果的に面接官へ面接手法を教えるには、人事社員からではなく、外部の講師と実際のロールプレイングを行った方が納得性も高く、有効に機能すると思いました。
面接官トレーニングをWebで調べたところ何社もあったので、まず各社から話を聞きました。しかし、ほとんどの会社は標準パッケージで、講義内容やロールプレイングを自社用にカスタマイズすることは難しいと言われました。また、面接官トレーニングと同時に変革人材を採用するための評定基準の見直しも依頼しようと思っていました。
そして、依頼したいことを更に整理していたところ、一次面接で動機付けできている社員の特徴が学生との距離感を掴むのがうまい社員だということがわかり、実際の学生とロールプレイングを行ってくれる会社が良いということとなりました。
これらの「カスタマイズ」「評定基準見直し」「学生とのロールプレイング」といった条件に当てはまるのは、レジェンダしかありませんでした。
発注したのは、事前の評価基準設計と当日実施の面接初心者向けの講義、バーチャル面接プログラム、学生とのロールプレイングです。評価基準設計は、一次面接での評価項目と評定基準の策定をしてもらい、面接官が記入する評定票を作成してもらいました。また面接初心者向けの講義は、調査結果を用いての採用市況の説明や面接官としての基本的な心構えや評価方法について講義してもらいました。そしてバーチャル面接プログラムは、10分ほどの面接ビデオを見て受講者が評価し、その評価内容をお互いに共有して目線を合わすことができました。最後に学生とのロールプレイングでは、受講者4名のテーブルに、1名の学生を配置して、受講者の2名がその学生に面接を行い、残りの2名はオブザーブを行うもので、適宜、講師から適切な指導を受けました。尚、ロールプレイングの学生の選定にあたっては、自社の採用競合に内定するレベルの学生をレジェンダに探してもらいました。
今回の面接官トレーニングで期待していたことは、面接官として基本的な知識と変革人材を採用するための面接の進め方や評価方法を理解・習得してもらうことでしたが、非常に満足しています。
実施後のアンケート結果でも、プログラム内容については、全員が「ちょうどよい」という回答で、時間の長さも「やや短い」と感じた受講者が15%いましたが、残りの75%は「ちょうどよい」との回答でした。
実は社内で、「本当に実施する必要があるのか」などやや批判的な意見もあったのですが、終わってみると、「実際にやってみるとちょうど良かった」「機会があればまたやりたい」など、受講者から前向きなコメントをもらえて非常に良かったです。
受講者に聞くと、面接初心者向けの講義、バーチャル面接プログラム、学生とのロールプレイングそれぞれ役に立ったと聞きました。
講義については、「面接にルールがあるのを知らなかった」「面接の進め方を知らなかった」など基本的な面接手法や、「面接では受験者の合否を決めるだけでなく、学生に自社を選んでもらう立場であることも重要」、「学生は将来のお客様であることを忘れ掛けていたのを思い返せた」など意識面における効果がみられました。
また、バーチャル面接やロールプレイングについては、「人事理念に沿った面接ができるようになった」「変革人材かどうか見分けられると思った」など評価方法のポイントや、「ロールプレイをすることで自分の欠点が見えた」「自分のクセを発見できた」など面接中に間違ってしまいがちな行動への注意喚起を促すことができました。
特に、「学生の意見が聞けてよかった」「面接を受ける学生の気持ちを聞くことができて為になった」など、実際の学生とロールプレイングすることで感じてもらったことは大きな効果だったと思います。
面接実施後に面接官に聞くと、「とても面接しやすくなった!」と言ってもらえました。詳しく聞くと、「模範的な面接の進め方を知ったことで、何が良い面接で、何が悪い面接か、事前にわかって面接に臨めたことが良かった」ということで、本当に面接官トレーニングを実施した甲斐がありました。そして、一次面接の評定票を見ても、どのような学生か把握しやすくなっていました。
採用結果としても、以前は愛想にいい子が合格になっていましたが、基準が明確になった今では、将来の変革人材となる学生を採用できるようになったと思います。
他には、インターネットの就活掲示板の学生の書き込みを見ても、学生の面接印象は良かったようで、不合格となった学生の書きこみでも、「憧れの企業に入れなくて残念。皆さんがんばってください」など、学生から好印象をもたれる割合が高まったと思います。
面接官トレーニングを行っても、やはり面接自体は難しく、特に面接中での深堀質問は経験を積まないと、簡単に取得できるスキルではないと思っています。実際に面接官からも「もう少し繰り返しやった方が訓練として身につくと思う」などの意見もありました。 特に、アイスブレイク話法、オープンクエッション手法についてのスキルトレーニングは別途実施する必要性を感じています。ですので、定期的なトレーニングとそのコストパフォーマスに見合った採用結果を追求することが今後の課題だと思っています。
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掲載日:2012.11.21