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労務コラムSmartHR活用事例:第4回 適材適所を、データで実現する──「部長の頭の中」を全社の資産に変えるタレントマネジメント

最終更新日:2026年2月6日

入力率8割が示す、本気の人材データベース構築

「〇〇の経験がある人、誰かいませんか?」

この問いに、すぐ答えられる組織は、どれくらいあるでしょうか。

私たちレジェンダ・コーポレーションは、採用支援(採用代行・RPO)や人事労務支援を手がけるBPOベンダーです。クライアント企業の「人と組織」をサポートする立場にある私たちだからこそ、自社の人材マネジメントにも本気で向き合ってきました。

2025年、SmartHRのタレントマネジメント機能を本格導入。キャリア台帳の入力率は8割を達成し、社員200名のスキル・経験・キャリアが一元管理される体制が整いました。

この取り組みは、単なる「情報のデジタル化」ではありません。「部長の頭の中にしかない人材情報」を全社の資産に変え、組織をスケールさせるための戦略的な基盤づくりです。

本記事では、導入前の課題から現在の運用、そして目指す未来まで、その全貌をお伝えします。

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部長の頭の中にしかない、社員のキャリア情報

私たちが直面していた最大の課題は、社員のキャリアや経験が組織として把握できていないことでした。

各部長は、自分の部門のメンバーについては詳しく把握しています。誰がどんなプロジェクトを経験し、どんなスキルを持っているか。でもそれは、部長の頭の中にあるだけ。他部門からは見えません。

面接時に前職の経験を聞いても、それは採用担当者しか知らず、入社後のOJTや実務の中で、本人がどんな経験を積み、どう成長したか。その情報は、直属の上司にしか伝わらないのです。

「この案件、〇〇の経験がある人に任せたいんだけど」
「別部署に適任者がいるかもしれないけど、誰に聞けばいいかわからない」

こうしたもどかしい状況が続いていました。

以前のシステムでは「検索できない」という致命的な欠陥

実は、以前も人事システムは導入していました。プロジェクト経験を記録することはできていたのです。

でも、閲覧できる権限がごく一部の人に限られていて、誰もが全社の人を自由に検索できるような状態にはなっていませんでした。

データはあるのに、活用できない。これでは人材データベースとは言えません。

さらに問題だったのは、情報の信ぴょう性とアップデートの問題です。スキル情報が古いまま放置されている。本人も「このデータ、誰が見ているんだろう?」という意識が薄く、更新のモチベーションも低い状態でした。

人材データベースは、「あるだけ」では意味がありません。常に最新で、検索可能で、実際に使われるものでなければ、組織の資産にはならないのです。

SmartHRで実現した「使える」人材データベース

スキル入力率8割──なぜ、ここまで浸透したのか

SmartHRのスキル管理機能を導入した結果、社員の8割がスキルを入力しています。

なぜ、これほど高い入力率を達成できたのか。

その理由は、社員が「入力する意味」を実感できる仕組みを設計したからです。

私たちは、スキルの入力を、半期に1度の「成果プレゼンテーション(成果プレ)」と連動させました。成果プレは、社員全員が自分の業績と能力の成長を役員・部長・マネージャーにプレゼンする、当社独自の評価制度です。

MBO(目標管理)で設定した能力項目の成長は、キャリア台帳にも反映されます。

能力に関して設定した目標に対して、実際にどんな機会があってその結果どれくらいスキルが伸びたのか。エビデンスとなるスキルの伸長をSmartHRにも登録したうえで成果プレを迎えてもらえるよう、全社で一斉入力のスケジュール「SmartHR入力推進期間」を組んでいます。評価とキャリア開発が一体化することで、社員は「自分の成長を可視化するツール」としてキャリア台帳を捉えるようになりました。

 

検索できるから、使われる──管理側の変化

スキルの入力が充実したことで、管理側の業務も大きく変わりました。

「語学力のある社員を探したい」
「特定の資格を持っている人をアサインしたい」

こうしたニーズに、SmartHRのキャリア台帳検索機能で即座に対応できるようになりました。

以前は「誰かに聞く」しかなかった情報が、今では自分で検索して確認できる。これは、意思決定のスピードを劇的に向上させます。

さらに重要なのは、前職の経験も含めた情報が把握できるようになったことです。

入社前にどんな業務を経験してきたか。それが全社で共有されることで、「実はあの人、以前こんな仕事をしていたんだ」という発見が生まれます。

社員同士でも、相互にスキル情報を閲覧可能にしたことで、「〇〇について相談したいけど、誰に聞けばいいかわからない」という問題も解消できます。

「顔と名前が一致しない」「誰に聞いていいかわからない」──こうした組織の見えない壁を、SmartHRのキャリア台帳が取り払っていくことも期待しています。

目指す未来──組織をスケールさせる、戦略的人材配置の基盤

メンバー視点:自分の成長を、自分で管理する

タレントマネジメントというと、「管理側のためのツール」と思われがちです。でも、私たちが目指しているのは、社員一人ひとりが自分のキャリアを主体的に管理できる環境です。

自分が何を経験し、何ができるようになったか。それを可視化し、次のキャリアステップを自分で設計する。SmartHRは、そのためのプラットフォームとして機能し始めています。

管理側視点:横断的なアサインを可能にする

新しいプロジェクトが立ち上がったとき。クライアントから想定外の依頼が来たとき。そのたびに「誰か適任者いないか?」と各部長に聞いて回るのでは、スピードが出ません。

私たちが目指しているのは、経営層や部長が全社員のキャリア・経験を把握し、部門を超えた横断的なアサインを可能にすることです。

SmartHRのタレントマネジメント機能は、その基盤を提供してくれます。

「〇〇の経験がある人」を全社横断で検索できる。
前職の経験も含めて、その人の強みを正確に把握できる。

これができるようになれば、適材適所の人材配置が、データドリブンで実現できます。

「見られている」という意識が、データの質を高める

もう一つ、私たちが意識しているのは、「社員が入力したデータが見られている」という実感を持ってもらうことです。

人材データベースが形骸化する最大の理由は、「誰も見ていない」と思われることです。

だから私たちは、キャリア台帳を積極的に活用しています。

  • アサイン時に参照する
  • 成果プレで成長の確認に使う
  • 社員同士が相互に閲覧し、相談先を探すのに使う

使われるから、更新される。更新されるから、信頼性が高まる。

このサイクルを回すことが、タレントマネジメントを組織に根付かせる鍵だと考えています。まだ始まったばかりですが、誰もが使えるキャリア台帳を目指しています。

まとめ:データが拓く、個の力を最大化する組織

「適材適所」という言葉は、誰もが知っています。でも、それを実現できている組織は、どれくらいあるでしょうか。

適材適所を実現するには、まず「誰が何を経験し、何ができるのか」を正確に把握する必要があります。そしてそのデータは、常に最新で、検索可能で、実際に使われるものでなければなりません。

私たちがSmartHRのタレントマネジメント機能で構築したのは、社員一人ひとりの成長を可視化し、組織全体で共有し、戦略的な人材配置を可能にする──そんな「生きた基盤」です。

入力率8割という数字は、この仕組みが機能している証拠です。そしてこれは、スタートに過ぎません。

今後、このデータを活用して、採用計画や育成計画にも活かしていく。AIを活用したスキルギャップ分析やキャリアパスの提案も視野に入れていきたいと考えています。

この記事の監修者

三宅 康子
経営企画室

■経歴
IT企業でSE職経験後、レジェンダにて採用施策や人事労務領域のプロジェクトをリード。これまでに新卒採用・中途採用のプロジェクトは7社を経験。300名規模の大規模採用や理系人材採用を担当。人事労務領域では、雇用契約管理等の運用業務設計や勤怠システムの導入等、7社のお客様を担当した。
現在は経営企画担当として、レジェンダ・グループの人事制度設計や管理系ITの導入を通じ、事業成長に向けた経営課題の解決に取り組んでいる。

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