今こそ確認!Web面接導入における“成功のポイント”
皆さんもご存知の通り、近年あらゆる仕事のオンライン化が急速に進んでいます。
特にこの数週間においては必要に迫られ、仕事の環境や進め方が様変わりした方も多いのではないでしょうか?
そして同じように、採用活動における「面接」も、その多くがWeb会議システムを活用した「Web面接」に切り替わっています。
そもそも「Web面接」は、Skypeをはじめ無料で使えるシステムの普及が進むなか、導入企業も増えていました。
しかし、今回のように急を要し、十分な検討・準備をすることができない状況下ゆえ、導入にあたって当社にご相談をいただくケースが増えています。
そこで本日は、当社が実際に「Web面接の“導入”から“運用”まで」をご支援させていただいく中で取りまとめた“成功のポイント”を紹介させていただきます。
導入
多くの場合、第一の課題は「どのWeb会議システムを導入するか」です。
いずれのシステムも「Web面接」を実施するための機能的な問題ありませんが、自社のセキュリティー基準を満たしているか、応募者側が敬遠するものでないか、という点では注意が必要です。
1. 選定前から情報システム部門を巻き込む
セキュリティー基準を満たしておらず導入NG、というパターンが思いのほか多いです。
選定の段階からシステムベンダーとの打合せに同席してもらうのがベストです。
2. 面接の同時開催数を確認しておく
ひとつのライセンスでは複数の面接を同時に実施できない、というシステムも多いです。
最大で幾つの面接が同時に開催されるのかを事前に把握しておくことで、必要となるライセンス数や導入コストの把握が正確になり、土壇場の「あれ、足りない!」を防げます。
3. Web面接の録画の是非を確認しておく
Web会議システムの多くには“録画”の機能がありますが、気軽な使用はNGです。
事前に応募者の了承が必要であることは言わずもがなですが、
自社の個人情報の取り扱いルールがどうなっているかを事前に確認しておくことも重要です。
これまでも、書面/Webページで個人情報の取得や取り扱いについて応募者から同意を得ているかと思いますが、多くの場合は“録画”による個人情報の取得を想定していません。
もし録画するなら、法務や内部統制など、担当部門にあらかじめ確認しておきましょう。
運用
面接官も「Web面接」には不慣れで負担が大きいので、フォローの体制が必要です。
また応募者側も複数の企業から様々な案内を受け、少なからず困惑しています。
1. 面接官へのレクチャーは徹底的に
面接官が操作方法・運用ルール等を理解していないと、人為的なトラブルが発生します。
代表的なトラブル
- システムにログインするための、ID・パスワードが分からない
- 他の面接官の面接枠を使用してしまう
- 面接が延びて、次の面接官/応募者が入ってしまう(それで通信が切断されることも)
- 学生が時間になっても現れない場合の対応が遅れる
2. 上手く繋がらない場合の代替案を用意しておく
例えば「顔は見えるけど、声が聞こえない」など、何らかの理由(システムの設定や
ネットワークの問題など様々)でWeb面接が実施できない場合も想定しておきましょう。
どちらかが困ったら電話面接に切り替え、というのは簡単でオススメの対応策です。
「通信トラブルによって〇分以上の会話ができなかったら再度面接を実施」
「しっかり話せなかった部分は別途メールで提出することを認める」
というような応募者が安心できる救済策を用意し、伝えておくのもよいと思います。
3. 面接官をフォローする体制
事前に十分なレクチャーをしていても、ちょっとしたトラブルは起きるもの。
緊急時はここに連絡して、という緊急連絡先を事前に知らせておくのはそのひとつ。
またシステムを触ることに不慣れな経営層がWeb面接をする際など、
最初と最後だけ同席するなど、面接官によっては“運用を任せない”というのもひとつです。
4. 応募者をフォローする体制
例えば「事前にアプリをダウンロードしてもらう必要がある」「特定のブラウザを使用して
もらう必要がある」など、事前準備の必要がある場合は、その手順をマニュアル化して
配布しておく、チェックリストを用意しておくなど、事前準備のサポートは不可欠です。
Web面接を案内する前に、推奨環境を満たしているかのアンケートを実施する企業も
あります(推奨環境を満たしていなければ、代わりに電話面接や対面での面接を案内する)。
ここまでをまとめると
- セキュリティー対策
- トラブル対策
- 面接官/応募者双方のフォロー体制
これら3点についての対策が、Web面接を導入する際の“成功のポイント”と言えそうです。
ここから先は、一足先にWeb面接を経験した面接官と応募者から聞こえた声を紹介します。 導入にあたって参考になるものが多いと思いますので、ぜひお目通しください。
面接官の感想
- 視覚での情報収集が難しい。対面で何気なくチェックしている「第一印象」「感情の動き(緊張感や喜怒哀楽など)」に加えて、ノンバーバルのコミュニケーション能力(表情・身振り手振りや口調・抑揚・強弱など)が掴みにくい。
- 本音を引き出しにくい。コミュニケーションの取りにくさもあるが、手元にカンペや資料を用意しているケースも見受けられる。
- 時間が足りなくなる。そもそもテンポのよいコミュニケーションが難しい。またネットワーク環境が悪いと何度も同じことを聞き返したり、面接の中断があったりと、コミュニケーション以外で多くの時間が取られてしまう。本来であれば聞くべきことを全て聞けないまま終わってしまうことがある。
- 惹きつけに懸念。相互に人となりが伝わっていないように感じる。自社の魅力が伝わっているか、手応えを感じにくい。
- 対面との環境の違いに戸惑う。自宅で面接を受ける応募者は、リラックスができていて良い反面、面接モードになっていないことがある。また、インターホンが鳴ったり、ペットがやって来たりと、場が乱れることもある。
Web面接では対面のようなコミュニケーションが難しいため、応募者を見極める難易度が上がります。要因は様々ですが、Web面接を経験した多くの面接官が「対面より評価が難しい」と口を揃えます。評価が非常に高い/評価が非常に低いという場合は問題ありませんが、当落線上の見極めが難しくなるのです。
こういったケースでは「よく分からないから合格」「よく分からないから不合格」という判断が増える傾向にあります。ですので、「判断に迷ったら合格にするようアナウンスする」「面接の時間を少し長めにする」などしながら、場合によっては採用担当が面接官にヒアリングをした上で最終的な合否を決定する動きも必要になります。
学生の感想
- 会話のキャッチボールがうまくいかない。また、面接官が自分の意図とは違った解釈をしていても、訂正のタイミングが対面と違って難しい。
- 面接官の周囲がうるさいことが多い。周囲の人が話していることが、面接官の発言のように聞こえることがある。
- 視線が泳いでしまう。面接官の背中越しに見える色々なものに意識を奪われやすい。また、面接中に宅配便が届いたときは慌ててしまった。
- 面接官の反応がわかりにくい。言いたいことが伝わっている手応えを感じにくく、伝わっているかが気になってしまう。余計なことを気にしていると、会話のペースも乱れる。
- 通信が切れてしまった時に、掛け直したらいいのか?待ったほうがいいのか?どうしていいか分からない。再接続後も、その動揺を引きずってしまう。
- 会社によってシステムがバラバラなのは困る。アプリのダウンロードなど、事前の手間が多いものは面倒に感じる。
ただでさえ面接は緊張するのに、さらに余計な不安やストレスを抱えているようです。また企業ごとに使用するシステムが異なることで、準備の負荷も掛かっているようです。応募者側の事前準備を簡単で分かりやすいものにすることや、トラブルの際のルールを決めておく(通信が切れたら面接官から掛け直すなど)ことで、負担を小さなものにしていきたいですね。
そして「きちんと伝わっているか」というのは面接官・応募者に共通の懸念事項です。相手の話を聞きながら分かりやすく頷いたり、「……ということでいいですか?」と確認したり、といったWeb面接ゆえに求められるコミュニケーションスキルについては、事前に面接官に伝えておくとよさそうです。簡単なことですが、少し意識するだけでコミュニケーションは格段にスムーズなものになります。
まとめ
Web面接の導入にあたっては、事前に確認・準備をしなければならないことが数多くあります。
ですが、実際の運用や起こりうるトラブルを想定しながら準備を進めていただくことで、導入後の運用負荷は大きく下がり、Web面接のメリットを強く感じていただけるはずです。
今回のコラムが、Web面接のスムーズな導入・運用に少しでも役立ちましたら嬉しく思います。
最後に
当社のサービスをご紹介させていただきます。
当社では、採用領域のコンサルティングやアウトソーシングをはじめ、Web面接の導入支援も行っています。これから導入を検討している企業様へのご提案や、既に導入されている企業様の問題解決など、幅広く対応させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
まだ具体的なお悩みがなくとも気軽にご相談いただける「オンライン相談会」も今後実施する予定ですので、ぜひそちらもご活用ください。
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