出社率50%への転換。全社員が納得できる制度設計の舞台裏

「リモートワークの柔軟性を保ちながら、出社のメリットも最大化したい」
2025年、当社はコロナ渦以降リモートワークに転換していた働き方を、出社率を50%へ引き上げる方針に転換しました。
この転換で最も重視したのは、「全社員が納得できる透明性の確保」でした。
方針転換の舞台裏として支えてくれたのが、SmartHRを活用した「透明性の高い申請・承認プロセス」です。
「リモートワークの柔軟性を保ちながら、出社のメリットも最大化したい」 という多くの企業が抱えるジレンマに、透明性を確保しながら、出社比率を高めたプロセスをレジェンダのケースご紹介します。
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当社では、コロナ禍以降リモートワークが定着していました。完全リモートではなく、週に1,2回の出社はしていたものの課題もありました。対面でのコミュニケーション不足です。特に新規入社者やプロジェクト異動時の関係構築の難しさが顕在化していたのです。コミュニケーションの行き違いなどから生産性の悪さを感じることが発生しており、オフィスへの出社の必要性を感じ始めていました。
一方で、リモートワークのメリットも明白でした。通勤時間の削減による仕事への集中時間の確保、そして何より、育児や介護といった個々の事情を抱える社員が働き続けられる環境の提供です。
当社では、男女問わず、子育て共働き世代の社員が多く活躍しています。仮に短時間になったとしても、パフォーマンスを高めて働いてもらうことは、事業の支えとなっています。
そこで、まず完全出社とするのではなく、「出社率50%(=リモート最大50%)」で働いていこうという動きが始まりました。出社のメリット、リモートのメリットをそれぞれ生かしながら、働き方を決めていくという方針です。
たとえば、新規入社者や異動者がいてチームビルディングがまだ十分でない場合は、全員が出社して対面で進めた方が効率的です。チームの共通理解が深まった後は、各自の裁量でリモートワークを柔軟に活用し、最大50%まで取り入れることができます。
また、育児や介護などの事情により、50%の出社が難しい社員もいます。お子さんの年齢やサポート環境など個々の状況を丁寧に把握し、どの程度の出社が現実的かを会社とすり合わせながら進めていきました。
経営としても、「50%は出社しなければならない」ではなく、「最大50%までリモートを柔軟に使いこなす」という前向きなメッセージとして打ち出しました。
そして重要なのは、オフィスの日とリモートワークの日を社員自身が考えることです。働く環境に指示を受けるのではなく、自分自身で最適なスタイルを考えられます。働き方に裁量を持てることは、仕事への満足度にもつながると私たちは考えています。
しかし、社員の出社日数が増え始める中、大きな課題がありました。
全社員の現状把握ができていなかったのです。
出社する社員は出社日数を増やしていくものの、50%の出社が難しい社員が出始めていました。社員の個々の事情は、直属の上司の頭の中では理解されていましたが、それが全社で可視化されていないことで、こんな懸念が生まれていました。
「どのような事情で、どのような働き方が認められているのか」
実際には正当な理由があっても、それが見えなければ、お互いに安心して働くことが難しくなります。管理職の裁量に委ねるだけでは、属人的な判断になりかねません。
全社で統一された基準と、透明性のあるプロセスがあれば、社員も管理職も安心できる──そう考えました。
申請して部長の承認が下りていれば、お互いが納得して向き合える。それが、私たちが目指した姿でした。

私たちが選んだ解決策は、SmartHRの申請機能を活用した仕組みづくりでした。
リモートワークが50%では足りない事情がある場合、働き方の個別調整申請を出していただきます。部長承認を経ることで、個々の事情が正式に記録され、全社で把握できる状態を作り上げました。
この仕組みのポイントは、単なる「申請・承認のデジタル化」ではなく、人事情報と働き方データを一元的に管理できる点にあります。SmartHR上で申請内容がわかるため、マネジメントの判断が属人的になりにくくなりました。
また、申請データを集約・分析することで、組織全体の傾向も見えるようになりました。
たとえば、特定の部署でリモート比率が高い背景を把握したり、育児・介護などの支援が必要な層を早期に把握したりといった、人事施策の改善につながるインサイトも得られています。
さらに、SmartHRのUI(ユーザーインターフェース)のわかりやすさも、社員の心理的ハードルを下げる要因となりました。「申請が簡単」「承認フローが明確」という体験が、制度の透明性を支え、結果として社員の納得感と安心感を高めています。
このように、SmartHRは単なるツールではなく、「働き方の多様性を支えるインフラ」として機能しています。

この仕組みの導入により、以下の成果が生まれました。
この取り組みが示すのは、透明性の確保が心理的安全性につながるという原則です。
透明性のあるプロセスで個々の事情が可視化されれば、「正当な理由がある」と理解され、納得感が生まれます。
私たちの取り組みは、単なる出社率の管理ではありません。働く人一人ひとりが、自分の状況に応じて最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を、テクノロジーで実装した事例です。
SmartHRの申請機能という既存ツールを活用することで、大がかりなシステム開発なしに、この仕組みを実現できた点も重要なポイントです。
ハイブリッドワークの成功は、単に「出社とリモートを組み合わせる」ことではありません。
個々の事情を尊重しながら、組織全体の生産性を高める。そのバランスを、透明性と公平性で支える。
そして何より、社員自身が働き方を選択できる裁量を持つこと。これが仕事への満足度を高め、結果として組織のパフォーマンス向上につながると私たちは考えています。
子育て、介護、通勤負担──働く人が抱える事情は多様です。その多様性を受け入れながら、組織として一体感を保つ。そのために必要なのは、「見える化」と「納得感」です。
私たちの事例が、同じ課題に向き合う企業人事の皆さまの参考になれば幸いです。
この記事の監修者
三宅 康子
経営企画室
■経歴
IT企業でSE職経験後、レジェンダにて採用施策や人事労務領域のプロジェクトをリード。これまでに新卒採用・中途採用のプロジェクトは7社を経験。300名規模の大規模採用や理系人材採用を担当。人事労務領域では、雇用契約管理等の運用業務設計や勤怠システムの導入等、7社のお客様を担当した。
現在は経営企画担当として、レジェンダ・グループの人事制度設計や管理系ITの導入を通じ、事業成長に向けた経営課題の解決に取り組んでいる。

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