「新卒採用のコストはいくらかけるべきなのか」
「予算削減と採用の質向上という相反する要求にどう応えるべきか」
多くの採用担当者がこうした悩みを抱えています。
採用コストは単なる「経費」ではなく、企業の未来を創る「戦略的投資」です。
この記事では、新卒採用コストの考え方から、企業別の違いまで徹底解説します。
さらにすぐに実践できる具体策も紹介しますので、採用活動にお役立てください。
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資料を受け取る新卒採用コストとは、企業が新卒人材を採用するために要する全ての費用の総額を指します。
これには求人広告費や人材紹介手数料などの「外部コスト」と、採用担当者の人件費や選考プロセスに関わる「内部コスト」の両方が含まれます。
採用担当者は限られた予算で最大の成果を上げることを求められており、コストへの理解と管理が不可欠です。
採用コストとは、新卒者を1人採用するまでにかかる全ての費用を指します。
単に広告費だけでなく、採用活動に関わる人件費や設備費、さらには入社後の研修費用まで含む概念です。
採用コストを把握する重要性は、主に以下の3つが挙げられます。
多くの採用担当者は「コストをかけすぎているのではないか」「この採用方法は効果的なのか」といった不安を抱えています。
コストの全体像を把握することは、こうした悩みを解消し、自信を持って採用活動を進めるための第一歩となります。
新卒採用コストは大きく「外部コスト」と「内部コスト」に分類できます。
外部コストには、求人媒体への掲載料、採用イベントへの出展料、会場費、採用ツールのライセンス料などが含まれます。
これらは予算として計上されやすく、採用担当者が意識しやすいコスト項目です。
一方、内部コストには採用担当者や面接官の人件費、社内設備の使用料、候補者の交通費補助、選考プロセスの運営コストなどが含まれます。
これらは「隠れたコスト」として見落とされがちですが、実際には総採用コストの多くを占める部分です。
特に見落としやすいコスト項目として、選考に関わる現場社員の工数、内定者フォローのための通信費、入社後の研修費用 などがあります。
採用単価を正確に把握するためには、これらのコスト要素をチェックリスト化して漏れなく集計することが重要です。
適切なコスト意識を持つことは、単なる経費削減に留まらない多くのメリットをもたらします。
例えば、コスト管理の実績は経営層からの信頼獲得につながり、次年度の採用予算交渉が円滑になります。
また、数値で効果を示せることで、採用部門の価値や貢献を可視化できます。
重要なのは、採用コストを「経費」ではなく「投資」として捉える視点です。 安易なコスト削減は採用の質を低下させ、ミスマッチによる早期離職や生産性低下というさらに大きなコストを招く恐れがあります。
優秀な人材確保という長期的な投資リターンを見据えたコスト管理が求められます。
短期的なコスト削減と長期的な人材価値のバランスを取るためには、コスト削減の目的を「採用活動の質を落とさずにいかに効率化するか」に焦点を当てることが重要です。
採用コストが高騰する傾向にありますが、その要因として考えられるのは、以下3つです。
18歳人口の減少傾向が続く中、学生に選ばれるための広告宣伝費や待遇アピールのためのコストが増加しています。
また、従来の合同説明会や会社説明会に加え、インターンシップ、ダイレクトリクルーティング、SNSを活用した採用マーケティングなど、新たな採用チャネルへの投資が必要です。
特にデジタルツールの導入や専門人材の確保には相応のコストがかかります。
さらに、AI・DXなどの先端技術に対応できる人材や、グローバル人材など、より専門性の高い人材を求める傾向が強まっています。
そうした人材を見極めるための選考プロセスの複雑化や長期化が進み、結果としてコスト増につながっています。
新卒採用においては、一見すると気づきにくいさまざまな要因が採用コストを押し上げています。
採用計画の甘さ、選考プロセスの非効率、内定後のフォロー不足などが、結果的に高コストや採用失敗につながるケースが少なくありません。
これらの落とし穴を事前に認識し、対策を講じることで、採用活動の質を落とさずにコストを最適化することができます。
採用コスト増大の最初の落とし穴は、採用計画の段階にあります。
最も典型的なのは、採用ターゲットの曖昧さです。
「優秀な人材」といった抽象的なターゲット設定では、広告配信の対象が広がりすぎて費用対効果が低下します。
具体的な専攻、スキル、志向性などでターゲットを明確化することで、広告費の無駄を削減できます。
また、採用数の過大見積もりも問題です。
事業計画との整合性を欠いた過剰な採用目標は、結果として一人当たりの採用コスト増加や、採用後の配属ミスマッチを招きます。
現場の受け入れ体制や教育リソースを考慮した現実的な採用計画が大切です。
さらに、経営層や現場部門との連携不足により、採用活動の途中で採用要件や人数が変更されるケースもあります。
これは既に投下したコストの無駄につながります。
採用開始前に経営層と現場の双方を交えて採用要件や人数を確定し、途中変更リスクを低減することが必要です。
選考プロセスの非効率は、特に内部コストを押し上げる要因となります。
多すぎる選考ステップ(書類→Webテスト→一次面接→二次面接→三次面接→役員面接など)は、採用担当者や面接官の工数を増大させ、人件費の増加につながります。
応募者体験(候補者エクスペリエンス)の欠如も見過ごせません。
選考結果の連絡遅延や、不透明な選考プロセス、面接官の不十分な準備などは、優秀な候補者の辞退や口コミでの評判低下を招き、広告費の無駄遣いとなります。
特にSNSの発達した現代では、ネガティブな応募者体験は瞬く間に拡散するリスクに注意が必要です。
また、意思決定プロセスの遅れも大きな問題です。
最終面接から内定までに時間がかかりすぎると、その間に他社から内定を得た候補者が辞退するリスクが高まります。
内定出しがゴールではなく、むしろそこからのフォローが重要です。
内定後のフォロー不足による内定辞退は、追加採用のための費用発生を招きます。
特に売り手市場である現状では、内定から入社までの期間に他社からのオファーを受け、辞退する学生も少なくありません。
内定辞退による追加コストは、単純計算で「一人当たりの採用単価×辞退人数」となります。
例えば採用単価100万円で5人が辞退すれば、500万円の追加コストが発生する計算です。
内定者懇親会や定期的な情報提供、入社前教育などを通じたエンゲージメント強化が、この損失を防ぐ鍵となります。
さらに長期的視点では、入社後のミスマッチによる早期離職も大きなコスト要因です。
2021年卒の大学卒就職者の3年以内離職率は34.9%※となっています。
早期離職による損失コストは、採用コストに加え、教育投資の損失や新たな採用コストを含めると、年収を超える可能性もあります。
新卒採用コストを削減するためには、単に予算を切り詰めるだけでは解決できません。
効果的な施策によって「ROI(投資対効果)」を高めることが重要です。
ここでは、採用活動の質を維持・向上させながらコストを最適化する7つの具体的な方法を紹介します。
効果的なコスト削減の第一歩は、採用ターゲットの明確化です。
「当社で活躍する人材像」を、専攻、スキル、性格特性、価値観などの観点から具体的に定義しましょう。
ペルソナ設定手法を活用すると効果的です。
社内の若手優秀層へのインタビューや現場管理職の意見をもとに、具体的なターゲット学生像(ペルソナ)を作成します。
「工学部3年のAさん、研究とサークル活動の両立に励み、将来は技術を通じて社会貢献したいと考えている」といった具体的なイメージです。
ターゲットが明確になれば、最適な採用チャネルを選定できます。
チャネル選定には、「リーチ(対象者への到達度)」「コスト」「採用成功率」の3軸での評価が有効です。
自社の過去データも分析し、高ROIチャネルへの集中投資を検討しましょう。
自社採用サイト・オウンドメディアの強化は、長期的なコスト削減に効果的です。
初期投資は必要ですが、継続的な掲載料が不要で、自社のメッセージを直接伝えられるメリットがあります。
採用サイト構築のポイントは、以下の3つです。
SNS活用は低コストで高効果を狙える手法です。
コンテンツ制作の内製化も効果的です。
外部委託せずに社内で採用コンテンツを作成することで、コスト削減と同時に「等身大の魅力」を伝えられます。
具体的には、スマートフォンでの動画撮影や、社員インタビューの社内実施、社員によるブログ記事作成などが挙げられます。
若手社員を巻き込むことで、学生目線の魅力的なコンテンツが生まれやすくなります。
特に注目すべきは、「ナナメの関係」による情報発信です。
採用担当者や経営者などの「縦の関係」よりも、入社2〜3年目の若手社員からの発信が学生に響きやすい傾向があります。
彼らの生の声を通じた情報発信は、信頼性が高く、広告費をかけずとも拡散力があるため、費用対効果に優れています。
リファラル採用(社員紹介制度)は、採用コスト削減と採用活動の質の向上を両立できる手法です。
社員のネットワークを活用して候補者を発掘するため、広告費を大幅に抑えられます。
また紹介された候補者は、社風や仕事内容について一定の理解があるため、入社後のミスマッチや早期離職が少ないというメリットもあります。
効果的なリファラル採用の設計ポイントは、適切なインセンティブ設定です。
金銭的報酬だけでなく、休暇付与や表彰などの非金銭的報酬も効果的です。
また、単発キャンペーンではなく、通年で取り組める制度設計が重要です。
新型コロナウイルス感染症をきっかけに広まったオンライン採用は、コスト削減の観点からも大きなメリットがあります。
会場費、交通費、人員の移動時間などを削減でき、地方や海外の学生へのリーチも拡大できます。
ただし、企業文化や雰囲気を伝えにくい、通信環境によって印象が左右されるなどのデメリットもあるため、適切な活用が重要です。
オンライン説明会・面接の設計ポイントは、以下の3つです。
特に双方向性を高めることで、一方的な情報発信に終わらないよう注意が必要です。
最も効果的なのは、オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド型採用です。
初期段階(情報提供、一次面接など)はオンラインで効率的に実施し、後期段階(最終面接、内定者交流など)は対面で実施します。
コスト削減効果を最大化するには、オンライン化と並行して選考プロセス自体の効率化もおすすめです。
選考プロセスの効率化は、特に内部コスト削減に直結します。
まず、選考フローの最適化についてご紹介します。
ATS(採用管理システム)の導入も効果的です。
ATS導入により、応募者情報の一元管理、選考プロセスの自動化、データに基づく採用分析が可能になります。
人気のATSツールには、中小企業向けの低コストソリューションから大企業向けの高機能システムまでさまざまな選択肢があります。
導入時のポイントは、自社の採用規模や課題に合ったツール選定と、現場担当者の使いやすさを重視することです。
新卒採用に関連する助成金・補助金制度の活用は、直接的なコスト削減につながる重要な施策です。
主な制度としては、厚生労働省の「キャリアアップ助成金」「トライアル雇用助成金」や、地方自治体独自の「UIJターン就職支援助成金」 などがあります。
これらを活用することで、採用活動や教育訓練にかかるコストの一部を補填できます。
注意点としては、助成金・補助金は制度変更が頻繁にあるため、最新情報の確認が必須です。
地域の労働局や産業支援センター、商工会議所などに相談すると、自社に適した制度を紹介してもらえます。
採用コストの最適化を継続的に進めるためには、データ分析とKPI設計が欠かせません。
主要なKPIとしては、以下3つの観点から設計します。
具体的な必須KPIとしては、以下が挙げられます。
これらの指標を測定・分析するために、ダッシュボードの作成が効果的です。
採用コスト削減に取り組む際は、単に予算を削るだけでは成功しません。
「採用活動の質を維持・向上させながらコストを最適化する」という視点が重要です。
安易なコスト削減は採用の失敗、長期的には大きな損失につながる可能性があります。
ここでは、コスト削減の取り組みで陥りがちな失敗と、それを回避するための重要ポイントを解説します。
コスト削減それ自体を目的化してしまうと、短期的にはコスト減を実現できても、採用の効果が著しく低下する危険性があります。
採用コスト削減の本来の目的は、「限られたリソースを最適に配分し、求める人材を効率的に獲得すること」です。
採用活動の質とコストのバランスを取るための考え方としては、「投資対効果(ROI)」の視点が重要です。
単にコストの低さではなく、コストに対してどれだけの効果(採用数、スピードなど)が得られるかを評価します。
目先のコスト削減によって、長期的な採用ブランドや人材パイプラインが損なわれないよう注意しましょう。
全てのコストを削減するのではなく、必要な投資と削減可能な無駄を見極める目を持つことが重要です。
投資視点での採用コスト評価法として、「この支出がないと、どのような機会損失が生じるか」を考えるアプローチが有効です。
例えば、採用サイトのコンテンツ制作費を削減すると、自社の魅力が十分に伝わらず、求める人材を逃す可能性があります。
短期的支出と長期的リターンの計算方法としては、採用コストだけでなく、採用した人材がもたらす価値(生産性、イノベーション、売上貢献など)も含めた総合的な評価が必要です。
過度のコスト削減がもたらす採用活動の質低下リスクを認識することが重要です。
主なリスク:
これらは直接的なコスト増加要因ではないものの、中長期的には大きな損失につながる可能性があります。
採用失敗による「隠れたコスト」は非常に大きいものです。
例えば、ミスマッチ採用による早期離職が発生した場合のコストは、再採用コスト+教育研修の埋没コスト+生産性低下による機会損失など、当初の採用コストの数倍に達することもあります。
適切なリスクヘッジのための「必要コスト」の考え方として、3つの観点が重要です。
これらは一見コスト増となりますが、採用活動の質を高め、長期的には大きなリターンをもたらします。
単なるコスト削減ではなく、採用活動の質とコストのバランスを重視した意思決定が重要です。
新卒採用コストは単なる「経費」ではなく、企業の未来を創る「戦略的投資」です。
この記事では、採用コストの基本から削減方法など解説してきました。
最後に、重要ポイントを整理し、持続的な成長につながる採用投資のあり方を考えます。
採用コスト最適化とは、単に予算を削減することではなく、最小限の投資で最大の効果を得ることです。
しかし、データに基づく意思決定、長期的視点での評価、継続的な改善サイクルの構築などの採用プロセスは、専門知識やリソースがないと実行が難しい場合もあります。当社では経験豊富なプロの視点で、新卒採用コストの適正化や費用対効果の最大化をサポートしています。
効率的・効果的な採用活動をしたいと考えている方は、お問い合わせよりご相談ください。
レジェンダ担当者のコメント
採用コストは「削減」することが目的ではなく、「最適化」することが本質です。平均相場や内訳を正しく理解し、自社の採用活動を可視化することで、無理のないコスト配分が可能になります。感覚ではなく、データと戦略に基づいて判断できる力を持つことが、これからの人材獲得競争を勝ち抜く鍵です。採用を“経費”ではなく“未来への投資”と捉え、数値感覚を身につけることを強くおすすめします。
この記事の監修者
中津川
セールス&マーケティング部 統括リーダー
■経歴
レジェンダ・コーポレーションに入社後、外資IT大手・メーカー等の新卒・中途の採用アウトソーシング、コンサルティングを担当。その後、広報、セールスを経て、現在はマーケティングに従事。インナーブランディング・Webマーケティング企画実行を担当している。
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