Skip to content(本文へジャンプ)

想い切りトーク Vol.022 後編

  • 想い切りトーク
  • Vol.022
  • 後編

多様化する社員のライフスタイルにあわせ
就業の自由度を高めれば、究極、
人事制度はいらない。

取材日: 2017/06/29

  • Twitterでシェア
  • Facebookでシェアする
北澤
一人ひとりが幸せになるとか、成長するよう働きかけるというスタンスをお持ちでいらっしゃるとのことですが、具体的にどういう方向に変えていきたいと思っておられますか。
高橋
たとえばワーキングマザーは、育児と仕事、つまり仕事をダブルで抱えている状態なわけです。幼稚園、保育園から突然3時、4時に迎えの電話が来ることだってある。そのような場合、有給を時間単位で取得できるようにしました。また通勤時間がネックとなるワーキングマザーには、フル在宅で働いてもらっています。フレックスタイムも、3年前まではコアタイムがあったのですが、今はフルフレックスにしています。
北澤
時短勤務、在宅勤務、これまでさまざまな改革をされてこられたのですね。
高橋
僕、多分、一番会社の中で、就業規則の抜け穴を考えていると思います。たとえば“リモートワーク可”という就業規則はありません。就業規則上で、就業場所を規定していないということは、逆にどこでも働いてもいいはずという解釈の仕方です。もちろん、組織的に管理しなければいけないタイミングは来ると思いますが、今から就業規則をつくるというよりは自由度を高めてあげる。“時間と場所にこだわらない働き方”をキーワードに、拘束時間を減らして生産性を上げることに、今、徹底的に取り組んでいます。
北澤
ぎちぎちに縛るのではなく、自由度を上げる。社員の方は幸せですね。
高橋
やはり社員が幸せになるためのルール化だと思っていて、それが企業としての義務、事業を継続するという意味では一番大きい。僕が人事にキャリアチェンジした理由の一つもそこです。問題意識を持っている人間がやらなければいけないことですし、自分は新規事業、事業側も知っているし、マネジメントの失敗体験もある。失敗体験、山ほどしているので、経験値としてはかなり持っているほうかなと。そういう人間が人事の中に入って、わかっている人間が何もやらなかったらそれはサボリでしかないので、これが自分自身の使命かなと思っています。
北澤
HDEへ転職するきっかけで“チューニング”という言葉がありました。今でもご自身の役割ですか?
高橋
そうですね。経営陣と現場が同じことを考えているのが理想だと思うのですが、人間対人間なので必ずギャップが生まれる。そのずれが生じたときに、いかにその幅を減らしてあげるかというのが、僕自身の役割かなと。事業をドライブするのは現場のメンバーですし、社員それぞれ一人ひとりです。それをうまく適切なタイミングでチューニングしてあげる。僕の中では、いい人事の姿というのは、人事部門がなくなることではないかと。人事制度も、究極いらないものだと思っています。制度というのは、会社の中で生き生きと社員たちが仕事して、結果、事業としてプラスに働くっていうものをつくりあげるということです。誰がやったかわからないけれど、自然体でいい感じの会社になってくれていたと、経営や社員に感じてもらえるのが一番いいかなと思っています。

MESSAGE人事は禅問答のような仕事。学び続けることが大切

高橋 実

北澤
これからの人事パーソンにはどういうようなスキルまたはマインドが必要でしょうか。
高橋
やはり一番大きいのは、個々の現場の社員をきちんと見ておく、これは、ただ見るのではなく、いかに会話をするかということです。人事部長の肩書など取り払って、対話をするか。その人がどういう状態なのかを正しく把握して、適切に対応する。絶対に手を抜いてはいけないことだと思っています。
北澤
能力という面では、どういうようなことを、人事パーソンは鍛えていけばいいでしょうか。
高橋
経営戦略とマーケティング、この二つを理解している人事パーソンは極めて少ないと思います。組織の運営は三つの軸だと思っていまして、まずは経営戦略、またマーケティングでいかにセールスするか、そしてHR、この三つがきちんと輪になっている状況が必要だと思います。HRのことはよく知っていて勉強家が人事の方には多いのですが、致命的に足りていないのは、経営戦略をあなたは語れますか?ということです。それはマーケティングも同じです。
北澤
何で稼いでいるか、ということですね。
高橋
僕はうちの営業マンには「もし僕が本気になって営業入ったら、負けないよ」って話をしています。そのくらいマインドセットを持ってやらないといけないのではないかと。これは、教育プログラムにしろ、わからない人間にやられるのが、一番、人間、苦痛なので。わかっている人間から言われたら、仕方ないよねって話になる。それをいかにしてつくっていくかです。
北澤
確かに、営業マンが何に悩むかとか、どういう能力が必要かわからなければ人事施策もとれませんよね。あと、習慣や心がけなど人事パーソンとしてやるべきだろうということは何でしょう。
高橋
キーワードを挙げるとすると、学びですね。僕が人事になった理由の一つでもあるのですが、サービスは物や製品なので、終わりが見えるというか、大体計算できます。けれど人や組織は計算できない。変化していくしか答えがない、答えを見つけなければならない禅問答のような仕事なので、やはり学び続けていくことが大切だと思います。引き出しを山ほど持って、それを全部、フルセットで使えるぐらいの所まで、自分の足元でしっかりと改新していく。
北澤
ご自身の知識か、知恵かというふうに、情報を測っていかないといけないっていうことでしょうかね。
高橋
そうですね。色々な情報が入ってくると思うので、アンテナは絶対高くしなければいけないのですが、それを自社の組織に置き換えたときに、何をやったらいいのか考えるだけではなく、実行してみる。実行力は、残念ながら日本のHRは、すごく弱いなという気持ちです。何かしらのエクスキューズを付けて、できない理由を探しているように僕には見えます。全社一丸でできなかったら、スモールスタートからやればいいし、あらゆるところに自分のアクションを起こせる場所はあるはずです。
北澤
アンテナを高く掲げて、自分に置き換えて実行する。
高橋

高橋 実

また、人が学ぶときに一番大切なのは、適切なタイミングでインストールしてあげることです。本人のアンテナが立ってない以上は、逆に、やらされ感ばかりになってしまうので、そのタイミングを適切に計ってあげるのも重要ですね。僕が人事として一番気を遣っているのはそこで、いかにして本人のステージを見るか、これも自分には失敗体験があるのでわかるのですが、心を開くタイミングで、適切にインストールしてあげること。その心を開くタイミングがいつ来ているかというのを、しっかりと把握してあげることかなって思います。
北澤
人に関わることだからこそ、というのがありますよね。そうしたことひとつひとつが人事パーソンの幸せにつながればいいですね。

プライベートでは“山ほどの社会活動”に携わっているという高橋氏。これからもトップスピードで走り続けながら、自由に、多様に、社員への想いに溢れた改革を推し進めていくのであろう。

SPECIAL

米国HR Tech最新動向

米国HR Tech最新動向
【第二部】人事トップ集結!パネルディスカッション

人事部長の想い切りライブ

人事部長の想い切りライブ
働き方改革の落とし穴 アフターレポート

北澤の想い

想い切りトーク編集部から
インタビュアーの北澤に逆インタビュー

  • メールマガジン登録はこちら
  • レジェンダ・コーポレーション株式会社