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想い切りトーク Vol.004

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人事とは、「人」と「事」業をつなぐこと

取材日: 2015/06/04

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  • ソフトバンク株式会社 人事総務統括 人事本部 本部長
    長崎健一

日本を代表する通信会社「ソフトバンク株式会社」。その人事本部を統括する人事総務統括人事本部 本部長の長崎健一氏は、新卒で日本テレコム(現ソフトバンク株式会社)へ入社。その後、通信事業の加速度的な成長を背景に、幾度となく繰り返された会社再編の渦中、異なるカルチャーをもつ組織の統合を推進してきた。彼の経験から導き出した人事メソッドを公開する。

PROFILEコミュニケーションの「千本ノック」だった2年間

ソフトバンク株式会社 人事総務統括 人事本部 本部長 長崎健一 氏

大学卒業後、通信業界が伸びると直感し、日本テレコムに入社した。会社が全国展開を繰り広げる最中、東北でのカスタマーサービスや新事業の立ち上げに参加し経験を積んだ。東京本社に戻ると人事部へ配属される。

配属されて、3年くらいは、業務をキャッチアップするのに必死で、全体の流れを見る余裕はなかったという。しかし、日本テレコム時代は、ある程度安定したルーティンの年間スケジュールがあり、採用、考課、年度末の異動と、それぞれの時期に対応していく事が仕事であった。

しかし、その後通信業界は大きく変貌する。日本テレコムの株主は幾度か変わり、2004年にはソフトバンク株式会社(現ソフトバンクグループ株式会社)の傘下となる。そして、2006年にボーダフォンも買収し、2007年にかけて、ソフトバンクBB(現ソフトバンク株式会社)も含めた通信3社の本格的な統合再編が始まる。修羅場だったと振り返る2年間だが、統合人事制度の導入を上司から任され、人事パーソンとして力をつけた2年間でもある。

人事制度を摺り合わせていく過程で、長崎氏は現場の社員と、直接コミュニケーションを取り始める。しかし、「なんで、そんなことをしなければならないのか」「それは理解できない」と、社員からは厳しい反応が返ってきた。

「みんなの心が全然ついてこないことを実感しました。当時はこちらの伝える力が足りなかったし、現場のことも解っていなかった。そんな状態で、形だけでやろうとしていました。」

それでも、長崎氏は、毎日社員に会った。3つの違う文化を持つ組織で、別の経緯をたどってきた社員が、一緒に仕事をするとしたらどういう問題が起きるか、想像力も最大限に働かせた。話を聞くことで、現場の不満の理由が解る。それならば、どんなアプローチをしていけば、納得感が高まるのか考え抜いた。

「まるでコミュニケーションの『千本ノック』でした。」

体を張ったコミュニケーションは、単なる情報収集ではなく、社員との信頼関係の構築に繋がった。

MISSION10年後のIT・通信事業を見据える人事

ソフトバンク株式会社 人事総務統括 人事本部 本部長 長崎健一 氏

今、通信業界はスピードからイノベーションへの転換期にある。成長過程にあったこれまでの10年間より、むしろこれからの10年の方が難しいとも言える。IoTやロボットにより、10年後は、IT・通信業界の支え方も大きく変わるだろう。人事の課題も尽きることがない。

ソフトバンクグループ代表の孫正義氏が5年前に掲げた「新30年ビジョン」に対し、人事は「Next10」で4つのテーマを掲げる。「後継者・経営人材が豊富」「グローバル人材が豊富」「勝ち続けるための組織・人材構成」「変革・挑戦・進化し続ける風土」。グループとして進化を続ける中、自分たちも常に変化に対応していく。

経営理念 クリックして拡大

経営理念

孫氏が5年前に掲げた「新30年ビジョン」を受け、人事は「Next10」を設定。

「経営陣とも、今年はこの4つのテーマを実現するための具体的な人材戦略を徹底的にやろうと話をしています。経営会議に「毎週持ってこい」と言われましたが、さすがに毎週は無理なので、月1回ペースで集中議論をしています。10年後の人員構成や、成長事業へのシフトなどをテーマに話し合っています。」

経営陣が推進したい事業に対し、現場の状態を見極め、この人、この組織なら実現できるはずだと、説得力をもって言わないといけない。机上で作った組織図を見て、これがいいと思います、と言っても説得力が違う。

「私は、いつも説得力をもって仕事をしたいんです。だから、経営陣と議論もするし、そのための材料として現場で起こっていることをウォッチするために社員に会いに行きます。それが地道だけど近道じゃないかと。」

MESSAGE入社した時の気持ち、社員の視点を忘れないこと

ソフトバンク株式会社 人事総務統括 人事本部 本部長 長崎健一 氏

『人事というのは「人」と「事」業をつないで、会社の変革をリードする、これが人事の役割なんだ』
長崎氏の仕事のベースになっているという、上司の青野氏の言葉である。事業がどうなっているのかを把握し、それに対して先手で人や組織をつなげる。後手になっては事業が遅れる。10年先の会社を作るために人事パーソンとして欠かせないマインドだと長崎氏は言う。そして、これからの人事パーソンのあり方を、こう語る。

「人事パーソンは、事業と現場を把握して解決策を提示できる実行力と、ビジネススキルが必要です。両方を身につけて、実践し、反省し、結果を出して、会社に貢献するのが役目です。

私自身が人事の人間として、価値を出せるようになったと思ったのは、統合の際の2年間の経験です。その2年間というのは2つの側面があって、事業と現場を知って、それに対してベストな解決策を持って行ける力を身につけました。また、気持ちだけは追いつかないので、ビジネススキルは最低限必要です。その両方を身につけ、実践して、反省して、結果を出して、会社に貢献して、ああ良かったなと思う、その繰り返しです。

中でも反省力はすごく大事だと思うのですね。失敗や反省点を次に活かしていくと。そういう意味では、謙虚さプラス自分が社員だったらどうかと考える想像力が大事です。

私は入社した当時や、一社員だった時の気持ちを全然忘れていないんです。今の立場になっても、人事からこういうことを言われたら納得できるかどうか考えます。社員としての視点を常に忘れずにやっていくことが、大事なことだと思います。」

日本を代表する通信会社の人事の責任者は、そう言ってまた、穏やかな笑顔を見せた。

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