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新卒採用ノウハウ10. 採用活動レビュー編

採用活動レビューとは

採用活動レビュー(振返りレポート)とは、採用活動を戦略的に分析することです。
実施した施策効果の測定や今後の改善点を洗出し、それらを活動関連者と共有して、今後の活動をより効果的にしていくことが目的です。

採用活動が終了したら、活動内容をレポート(=採用活動レビュー)にまとめて、振返りましょう。
採用活動を進めていく中で行った様々な取組みの成果を把握でき、更に、それまで見えなかった課題が明確になります。
そして、採用活動レビューを活動関連者と共有することにより、関連者が同じ目線で一丸となって今後の採用活動を更に良くしていくことが可能となります。

採用活動レビューの作成ポイント

  • 推移や活動区分ごとに分析する
    ※推移とは、エントリーから内定までの動員人数の推移や移行比率です。
    ※活動区分とは、母集団形成、選考、内定などの活動の区分です。

レポートを作成するためには、必要な”切り口”毎の各活動におけるデータが必要となります。
レポートを作成する前に、取得可能なデータの種類を事前に把握しておく必要があります。

推移の分析では、全体の中で活動区分ごとの移行率の良否を把握することができます。
また、推移を属性別(性別、地域など)、大学別(文理、専攻など)、媒体別(リクナビなど)、施策別(WEB-DMなど)時期別などの”切り口”で見ると、違いに着目しやすくなり、新たな発見があることもあるでしょう。

また、活動区分の分析では、一つの活動区分を主軸に、属性や大学など”切り口”別の構成比や動員人数の効果をより明確に把握することができます。
属性や大学などの”切り口”を広げたり、より詳細にみることで、ターゲットの特徴をより細かに把握することも可能です。

これらの推移や活動区分を分析は、当初のシミュレーション、経年データ、市場平均と対比すると、その相違を明確に把握することができます。

以下の表に、採用活動レビューの構成要素をまとめましたので、ご参考ください。

採用活動レビューの構成要素

"切り口"の決定に際しての着目点

上記の表にもある通り、”切り口”には様々な種類(属性、学校、希望、時期等)があり、全てを集計することは、とても効率的であるとは言えません。
測定すべき”切り口”については、各社の状況や課題が異なるので一様の基準はありません。
そのため、自社ならではの”切り口”を決めなければならないのですが、その際に着目すべき点を以下の通りまとめました。

  • 自社ターゲットの区分
  • 実施施策の区分
  • 問題発生の要因(仮説)の区分

"切り口"の前提

(数字以外で測定するコメントなどの定性分析を除き)”切り口”は、基本的に数字で測定可能な項目にしておく必要があります。
例えば、数字で測定不可能な区分の一つの例として、「優秀な応募者」が挙げられます。
測定不可能の理由としては、”優秀な応募者”とは何がどの程度優秀か定量化されていないためです。
“優秀な応募者”を定量化した”最終面接で評価がA”という区分であれば、測定は可能です。
また、”切り口”の効果を示す数字は、できる限り、採用活動の最終目的である内定と置くとその効果を適切に表すことができるでしょう。
効果を内定に置く理由としては、例えば、効果を母集団人数の増加とすると、母集団人数が上がっていたとしても結果的に内定に繋がっておらず、採用目標には効果がないこともある為です。

  • 自社ターゲットの区分

    これは、上位校、理系の女性、または地方の国公立などの自社にとってのターゲットとなります。
    他の応募者と差別化している区分となるので、その差を把握することができます。

  • 実施施策の区分

    これは、媒体別(リクナビとホームページなど)、イベント(合同説明会など)、WEB-DMなどとなります。
    これらは、採用活動をより良くするために、あえて実施した施策だと思いますので、測定することで「効果があったのかなかったのか」「今後もその施策を実施すべきかやめるべきか」などの検討材料となります。
    但し、その効果を測定する為には、実施施策区分となる”切り口”には、必ず実施対象有無の両方が存在していることが前提となります。
    例えば、自社理解を深めるために、全員に対して「説明会のプレゼンをより良くした」場合、実施しなかった対象は当年度には存在しないこととなります。
    その場合、前年度の「説明会のプレゼンをよりよくする前」の実績と比較しないと、その効果を測定することは困難です。

  • 問題発生の要因の仮説区分

    これは、活動中に感じた違和感や異変を区分化して”切り口”と考える方法です。
    例えば、「説明会日程によって、学生の質が異なっていたような?」という仮説があったとします。
    そうすると、説明会日程毎に、その後の推移や選考での評価を分析することで、その仮説が本当なのか検証することができます。
    また検証の結果、その仮説が正しければ、どういった応募者がその問題のある説明会に参加しているかを把握することも可能となります。

ここがポイント

冒頭でも記載した通り、採用活動レビューの目的を一言で言えば、『今後の活動をより効果的にしていくこと』です。しかし、一旦測定をはじめると、データ収集や集計に没頭し、どうしてもその目的を忘れがちです。

採用活動レビューを作成するときは、常に「着眼大局、着手小局」でなければなりません。
これは「大局的視点をもって、小さなことろから着手する」という意味で、採用活動レビューに当てはめると、『活動を効果的にする』という大局を意識しながら、『価値のある小さな区分』を見逃さないことです。

今後も効果的な採用活動を行っていくために、是非 採用活動レビューを作成してみてください。