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労務コラムセミナーレポート
リモート環境下における「人事DX」をどう進めるか?

8月26日、エクサウィザーズ社レジェンダ・コーポレーションの共催で「リモート環境下における「人事DX」をどう進めるか」というテーマのセミナーを開催しました。

DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉をよく耳にするようになってから、はや数年が経過しています。経産省の報告によれば、日本企業全体のDX化対応が遅れると年間で最大12兆円の損失が出る可能性があるとのことです。

人事領域ではどう取り組めばよいのか?
セミナーの一部をご紹介します。

セミナーの冒頭

セミナーの冒頭では、ご参加いただいた40名近くの企業人事の方に、アンケートを行いました。

人事DXを取り入れているのは3割弱。

質問 :「人事領域でのDXの取組み状況はいかがですか?」

選択肢 回答割合
既に取り組んでいる 24%
知っているがどう取り組んだらいいかわからない 40%
DXがどのようなものかわからない 36%

という回答となりました。

人事データ有効活用ができていないは9割越え

質問 :「自社の人事データは有効に活用できていますか」

選択肢 回答割合
活用のための仕組み、ルールが整備され既に活用している 8%
データはあるが活用できていない 42%
データの収集・管理ができていない 50%

以上のような回答結果となり、ご参加いただいた企業人事の方々にとって、人事DXが進んでいない様子が伺えました。

【一部】 リモート環境における「人事DX(デジタルトランスフォーメーション)」の進め方

次にエクサウィザーズの山口氏よりHRデータ活用の動きについてお伝えしました。
「日々ディスカッションする中、人事の方はお忙しい部門だと存じています。大規模なシステム導入等が行われているものの、8割をオペレーション業務が占めていらっしゃり、戦略人事にかける時間がありません。そこにさらにwithコロナの動きが発生して、リモートワークへの移行、社員の士気維持など課題は山積していることが伺えます。そんな中でも、リモートワークの機会に、生産性向上を進めようとしている大手企業が増えています。そのような動きから見ても、今は(変化の)高速道路にのっているような感じがしています。10年間議論されながら進まなかったオンライン診療も新型コロナウィルスの件で、暫定的に導入が進みました。今こそ、生産性向上に向けて人事DXが加速されるときなのだと感じます。」

そして、人事データを活用する際に、最もネックとなる「データがない問題」について言及しました。
「データ活用は、何かボトルネックが存在し進まないというケースが多くみられます。代表的なボトルネックはそもそもの(まとまった)データがないことです。データがないので、まずはデータを可視化する・一元化する・紙をOCRにする、というデータ集めのフェーズでやりきれずつまづいてしまいます。かつROIが示しづらいフェーズのため、検討が停滞しデータ活用が進まないケースが多く見受けられます。」

では、まとまったデータがないと人事DXを進めることは難しいのでしょうか。打開策について山口氏はこう語ります。「まとまったデータがなくても、データ活用は始められます。データがあまりない、あっても分散しているときは、まず集められるデータを収集して、そこから見いだせる成果を探します。スモールサクセスという観点です。できる範囲で利活用してみると、次に必要なデータが明確になってきます。異動や配置のAI活用についても、これまでの勘でいくと、なぜこの人が推薦されるんだろう?というのが出てきてしまいますが、データを元に行うと要件がはっきりしてくるので、配置に必要なデータを無駄なく集められるという利点もあります。そして、一つ成功すると横展開を検討することも有効です。なによりもまず、手元に集められるデータで利活用を始めることが大事なのです。そして、活用しながら逆算的に必要なデータを収集するのが成功のメソッドです。」

【二部】 コロナ下での在宅ワーク化による人事課題とその解決に向けて

二部では、レジェンダ・コーポレーション人事労務支援事業部の平川より、コロナ下でより忙しくなる企業人事の方々をサポートするレジェンダの体制と、セミナーテーマの「人事DX」について、データ収集の視点で解説しました。

「私たちは、人事部のノンコア業務を巻き取ることで、コア業務をバリューアップしていただく戦略的人事パートナーとして活動しています。企業人事の方にとっては、外部にもう一つサポートしてくれる「第二人事部」のような存在でありたいという想いが根幹にあります。今回のセミナーテーマとなっております、人事DXについては、情報収集という点で、企業人事の方をバックアップさせていただくこともあります。

人事から見て会社のデータが可視化できていないのは、健康診断の情報を知らないまま過ごしている状態と同じです。データの可視化と言っても、定性的な言葉で可視化をすると、受け取る側の立場や事情で意味が変わってきてしまい実態が客観的に捉えられなくなることがあります。そのため、定量的な数字で表すことが大事です。」

最後にデータ活用のサイクルについて次のようにまとめました「限られたデータを多角的に利用することが重要で、そのためにはデータが一元管理されている必要があります。データを一元管理すること、定量分析すること、仮説検証すること、そして最も重要なのは社員に負担がかからないような運用を考えることがポイントとなります。」

現在、企業人事の方々は、リモートワークの対応に迫られていますが、今後も予測不可能な事態が起こり得ます。そのためにも、自社のリソースだけではなく、外部の力を利用することで、人事DXを進めていただきたいとセミナーを締めくくりました。「人事の皆様には、社員の方とのコミュニケーションを図ったり、意思決定や判断を下すといった役割を、そして人事DXに必要なデータ収集や運用に関する部分は、エクサウィザーズやレジェンダなど外部のリソースを活用して、データの利活用を加速させていただきたいと思います。その際のお役に立てれば幸いです。」

コラム作者情報

2013年、レジェンダ・コーポレーション株式会社に新卒入社。
人事・労務業務の導入担当/運用担当として大手SIerの業務に従事。
その後、営業コンサルチームを経て、自社システムの開発・運用に携わる。
2020年より持株会社である株式会社レジェンダの経営企画室に転籍し、グループ企業の収益性の向上に努める。

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