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全国の人事パーソンへのメッセージ

人事部長の想い切りトーク

Vol035想い切りトーク

「社員の声」こそが企業変革の鍵。社員が主役となり、ミッションを体現する組織へ

掲載日: 2025年6月13日

※会社名・役職等は取材当時の名称を掲載しております。

日本初の国産ブランド紅茶として愛され続ける「日東紅茶」を展開する三井農林株式会社。革新的な商品開発と海外市場への展開を進める同社は、コロナ禍と社内の構造改革を経て、社員のエンゲージメントの向上に注力している。人事総務部長として活躍している石川暁子氏に、多様なキャリアから生まれる人事戦略と、「社員の声」を基盤とした組織づくりについてお話を伺った。

PROFILE変化を恐れず挑み続け、人と組織を見る目を養った

  • これまでのキャリアについて教えてください。

    まず、2007年に住宅設備系メーカーに技術職として入社し、浴室の製造拠点で新商品の開発を担当していました。その後、2011年の東日本大震災をきっかけに価値観に変化が生まれ、2013年に特許事務所へ転職。そして、2018年に三井農林の法務部門に入社し、法務室長や総務室長を経て、2024年5月に人事総務部長に就任しました。

    振り返ると、メーカーの技術職から特許事務所、そして人事部門まで、一見バラバラに見えるキャリアですが、今の仕事では過去の経験がすべて活きています。製造現場の理解や法律の知識、全社的な視点など、様々な角度から物事を捉えられるようになりました。

  • 現在の石川さんを形作る上で、影響が大きかったご経験について伺えますか?

    特に学びが多かったのは、特許事務所時代の経験です。法律の専門家が集まる環境は、個々の専門性を尊重することの大切さに加えて、組織としての一体感を醸成することの難しさも教えてくれました。仕事を円滑に進めるには自分から情報を開示し、積極的に関わることが必要だと学びましたね。

    また、東日本大震災は私の価値観を大きく変えた出来事です。私は宮城県出身なんですが、被災した地元を目の当たりにした際に、「人々の日常に寄り添うものづくり」に携わりたいと考えるようになりました。そこから三井農林への入社を決めたのは、お茶が人々の暮らしに欠かせない存在であり、日常に寄り添う商品だと感じたからです。弊社でなら、震災後に芽生えた思いを実現できると考えました。

  • 約5年ごとにキャリアが変化していますが、変化に対してどのようなマインドで向き合ってきましたか?

    変化については、基本的に前向きに捉えています。もともとは保守的な性格でしたが、変わらないことによるリスクを考えると、むしろ変化する方が良いと考えるようになりました。同じところにずっといると視野が狭まったり、成長が止まったりしてしまうと思うんです。今は社会全体がチャレンジしやすい環境になっていますから、失敗したとしても次のステップがあると考えています。

MISSION 社員自身が描くミッションで世界中をもっと笑顔に

  • どのような事業を展開されていますか?

    弊社は、1927年に誕生した日本初の国産ブランド紅茶「日東紅茶」(当初の名称は「三井紅茶」)を主力に事業を展開しています。創業以来、「紅茶の美味しさをもっと多くの人に」という思いで、国内の紅茶の普及に尽力してきました。

    現在は時代の変化に合わせて、紅茶だけにとどまらない「TEA」の可能性を追求し、次々と新しい商品を開発しています。たとえば「ミルクとけだすティーバッグ」という商品では、ミルクと茶葉を独自技術でブレンドし、お湯を注いでわずか90秒でミルクティーが完成するという画期的な利便性を実現しました。この夏は「水出しアイスティー」の認知拡大とシェアアップに向けて、若年層に向けてのポップアップイベントなど様々なマーケティング施策を展開していく予定です。

  • 人事部門として特に注力されている取り組みについて教えてください。

    社員のエンゲージメント向上に向けて、前年度は「傾聴」を意識して経営が全社の社員の話を聞く機会を得ました。そこで得られた意見をもとに「コミュニケーション」「働き方」の2つを軸に取り組んでいます。まずコミュニケーション面では、コロナ禍で休止していた部活動の再開や中途入社者の自己紹介ページの開設など、社員同士が互いを知る機会を増やしました。私自身もペン習字クラブに参加して、昼休みにみんなで書きながら近況を話す場をつくっています。

    次の働き方については、リモートワーク条件の緩和や年末の実家勤務許可など、一人ひとりの生活スタイルに合わせて柔軟性を高めました。男性の育休取得率100%の実現や女性管理職比率の向上など、多様性を尊重する風土づくりも進めているところです。

    さらに、お茶を扱う企業として、製茶体験やスリランカでの研修などを通じて商品への愛着を深める取り組みも行っています。普段接点のない部署のメンバー同士が交流する貴重な機会になるとともに商品の理解を深めることや会社への愛着を深めることもできており、組織の一体感の醸成に大きく貢献しています。

  • 社員のエンゲージメント向上に注力する背景や狙いは何ですか?

    エンゲージメント向上に力を入れる背景には、経営環境の変化と新たな成長フェーズへの移行があります。弊社の構造改革を進める中で経費削減や業務効率化を優先していた時期があり、同時にコロナ禍でのリモートワークやマスク着用によってコミュニケーションが希薄化していました。その結果、「仲間を知らない」「他部署の仕事がわからない」といった課題が浮上したんです。

    そこで、私たちは2023年に構造改革を達成した後、「社員の声」をより大切にする方向へと舵を切りました。その中のひとつである、MVVの刷新においては全社の様々な部署からメンバーを集めたタスクフォースを組織し、社員自身が会社の方向性を考える機会を設けたところ、「伝統と革新で世界中をもっと笑顔に」というミッションが生まれました。各部署のメンバーはそれぞれ現場での仕事を抱えながらでしたので難しい面はありましたが、回を重ねる毎にメンバー間で「目的」を意識して「われわれがどうなっていきたいか」を明確にできる状態に変化してきました。この活動を通じて、結果的に様々な部署のメンバーの一体感を生み出すことに成功しましたので、今後は社員全体にこの取り組みを拡大したいと考えております。また、こういった機会を通じて、これからもお茶を通じて人々に笑顔を届ける企業として、社員たちも笑顔で働ける環境づくりに注力していきたいと考えています。

MESSAGE 社員の声に耳を傾け、明日の組織を共につくっていく

  • 石川さんが考える、これからの人事部門の理想的な姿とはどのようなものですか?

    私は人事部門が「頼りになる存在」であるべきだと考えています。これまでの人事部門はインフラ的な業務に集中していて、現場からは少し距離を感じる存在になっていたかもしれません。しかし、これからは社員一人ひとりの声に耳を傾け、「こういう時は人事に相談しよう」と思ってもらえるような存在になりたいと思っています。

    そのために私たちは「社員の声を聴くこと」を重視し、社員からの提案を実現可能なものから順に形にしていく体制を整えています。また、単に意見を聞いてそれを実現するだけでなく、それが実際に形になるプロセスを見せることで信頼関係を構築することも大切です。社員の声を活かして、実践的かつ柔軟なアプローチをしていくことが、これからの人事部門に求められる姿勢だと思います。

  • 最後に、人事に携わる方々へのメッセージをお願いします。

    人事の仕事は正確さが求められる一方で、社員一人ひとりとのやり取りは非常に複雑です。さらに多くの場合は、複雑なやり取りの内容を他者に共有できない困難さがあるので、まずは着実に業務を遂行できていることに誇りを持っていただきたいと思います。

    今後は今まで以上に人こそが財産となる時代になりますので、人事部門の役割はますます重要になっていくでしょう。そうした中では、既存の業務をしっかりと遂行しながらも、より広い視野で新たな取り組みを模索してくことが大切になります。例をあげると、多様なバックグラウンドや経験を持つ人材が、それぞれの強みを活かして働ける環境を整えることで、組織全体の可能性は格段に広がるはずなのでぜひ意識してみてください。すべての人財に対して活躍できる場を提供するために、一緒に頑張っていきましょう。

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