少子高齢化で健康経営の重要性が高まる日本において、「健康経営優良法人認定制度」に企業の注目が集まっています。健康経営優良法人として認定を受けることは、企業イメージの向上や採用人材の確保につながり、企業としてのメリットが非常に大きいことは、みなさまもご承知のことと思います。
その点を踏まえ、本セミナーでは、レジェンダ・コーポレーションにおいて健康経営ウェルビーイングサービスブランド「WELL CORP」を推進している弊社執行役員の持田時宗が、企業の成長と両立する健康経営の最新事例について解説しました。
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健康経営は、SDGsの17の目標のうち主に以下の2つに関係しています。
・目標3:「すべての人々の健康と福祉を」
・目標8:「働きがいも経済成長も」
これらは、まさに健康経営のテーマでもあります。つまり、健康経営とSDGsとは互いに関連し、互換し合うような関係性にあります。企業が健康経営を推進することは、SDGsの達成に向けた重要な一歩となるのです。
具体的な健康経営とは、企業が経営戦略の一環として健康状態の因子改善に取り組み、ひいては会社の生産性を向上させていき、さらに会社の業績に直結させていくことです。
近年の「VUCA(ブーカ)」と言われる変化の激しい社会環境の中で、健康経営の重要度は年々増しています。日本においては、健康経営優良法人の認定を受けている企業の数が2019年から2023年の5年間で約5倍に増えており、2022年から2023年の1年間だけでも約2,500社の企業が同認定を受けています。
日本で健康経営が注目される背景には、高齢化が進む中で、健康な労働力を確保することが難しくなっていることが挙げられます。そのため、企業においては、従業員1人1人が健康を維持して長期的に働き続けられるような環境を作っていくことが重要です。
また、労働力不足は日本だけでなく海外の先進諸国でも問題視されており、ラスベガスで行われた「HR Technology & Conference」のキーノートセッションにおいて、ジョシュ・バーシン氏は、「経営者は従業員を大切にして生産性を上げる工夫をしなければならない」と説き、従業員エクスペリエンスやウェルビーイングを向上させることで、企業の持続と成長へのエンジンにつながると結論づけていました。
従業員が健康であることによって、以下のようなメリットが考えられます。
さらには、健康経営に取り組むことによって、その企業に対する社会的な評価が上がり、お客様や投資家だけでなく、入社を希望する求職者に企業の魅力を伝えるといったことが実現すると予測できます。つまり、健康経営に取り組むことによって、採用数のアップや離職率の低下、定着率の向上につながり、結果的に組織の生産性が上がって企業の持続的な成長が期待できると言えるでしょう。
さらに、健康経営を阻害する「不」というものがあります。『不』とは、不安や不信、不満といったものを指しています。『不』の事例には、次のようなものがあります。
昔に比べると従業員1人に求められる仕事量がどんどん増えており、仕事自体の難易度も上がっています。『ミスをしたら、大きな損害が発生してしまう』『失敗すると、人に迷惑をかけてしまう』などのプレッシャーを感じる場面も多く、そういったリスクの高い仕事に携わることに起因したストレスも増えているのです。
こういった職場で日常的に起きている出来事が、不安や不信、不満といったいろいろな『不』につながり、それが積み重なっていくと、離職を考える社員が増えてしまいます。すると、会社の評判が下がって採用に苦戦するようになり、結果として労働力不足に陥ってしまいます。つまり、『不』は企業の成長に悪影響を及ぼすスパイラルの起点にもなり得るということです。昨今、心理的安全性が職場に求められるキーワードとして注目を浴びていますが、『不』の解消は心理的安全性の向上につながるものです。
では、どのようにすれば、この「不」を解消できるのでしょうか。この問題については、マズローの5段階欲求に基づいて整理できます。
まず、5段階欲求の下層部分に位置づけられている『生理的欲求』や『安全欲求』を満たすために、健康的な就業環境や安心安全に働ける環境が求められています。一般的に5段階の上部にある『自己実現』や『承認欲求』が満たされていると、『不』は発生しないのではないかと考えがちですが、実はそうではありません。
例えば、離職する原因について調査すると、生活習慣の乱れや不十分な感染症対策、過剰労働、健康診断の不徹底など、衛生要因の中でも最下層に位置する部分が原因となって離職するケースが、自己都合退職者全体の約8割を占めます。つまり、上層部分で従業員をモチベートする以前に下層の要因をしっかりと満たすことが、従業員の満足につながっていくと考えられます。
これらの前提を踏まえて考察すると、『不』を解消するためには、まず基盤となる下層の衛生要因の部分を整えてから、さらにその上の動機付け要因の向上によって、企業の成長を促すことが理想的であると言えます。そのためには、人事担当者が持つ人事データを労務担当者にしっかりと管理させて、状況や課題を把握した上で社内の衛生環境を整備することが効果的です。
職場環境の具体的な改善については、
1. 新規事業に伴う人事異動により離職率が悪化→人事異動の人選プロセスを再検討
2. キャリア入社社員のエンゲージメントが低く、早期退職が目立つ→リアリティショックを軽減できるよう面接官のトレーニングを実施
3. 産業医が健康経営のアドバイザーにならない→優秀なアドバイザーとともに健康経営を推進した
以上のような例が挙げられます。
レジェンダ・コーポレーションは、『WELL CORP』というサービスブランドを通じ、企業の健康経営を支えて成長につなげていきたいと考えています。その実現にあたって、「健康経営優良法人の認定を取得する取り組み」を支援し、離職率を低減させ定着率を向上させるためのプログラムをお客様と一緒に実行してまいります。「健康経営優良法人」の認定資格をとることは、健康経営の第一歩として始めやすく、採用ブランディングや企業価値向上につながるためおすすめです。
また、必要なシーンに応じて必要な産業医をマッチングし、企業の認知度や社会的評価を高めるような採用ブランディングを定義し、健康経営の基盤となる労務管理を整えるためのBPOというサービスも行ってまいります。
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