全国の人事パーソンへのメッセージ
想い切りライブ
レジェンダ・コーポレーション(株)では、「人事のNo.1イノベーションドライバー」をビジョンに掲げ、企業の成長の要となる人事の変革を目指し活動しています。 その第一歩として、かねてよりWebサイトに掲載している取材記事「人事部長の想い切りトーク」のライブ版を2018年3月8日に開催しました。 テーマは「働き方改革の落とし穴」。働き方改革が進む中でどのような障壁・課題が新たに生まれているのかについて、トークショーとパネルディスカッションを行いました。 第1回目は髙橋実氏をゲストスピーカーに招いたトークショーの模様をお届けします。
※会社名・役職等は取材当時の名称を掲載しております。
皆さん、こんにちは。髙橋実と申します。僕は(株)HDEの人財広報部長(~2018年3月)、(株)モザイクワークの執行役員(現取締役COO)、寺田倉庫ともう1社で人事をしており、 今は4つの肩書(当時)で仕事をしています。よくダブルワークですかとか、どういう配分ですかって聞かれるのですが、基本的には全部100%でやらせていただいています。4つの企業に属し、本気の複業に着手しているところです。
今日のテーマは「働き方改革の落とし穴」ということで、お話をさせていただきます。働き方改革、僕は「現場の社員から“余計なお世話”と思われていないか?」ということを一番気にします。働き方の主語が曖昧、つまりは誰のための働き方改革なのか。自分なのか、会社なのか。一体ダレ得になるのか。例えば、今、勤務時間の削減の話がどの企業さんでも出てきていると思うのですが、僕は社員に対して、勤務時間を短くしろと言うときには、必ず「会社のために」と言います。そうしないと、仕事たくさんあるのに、時間を短くさせられて、しわ寄せが来るだけで、誰のための改革だという話になる。この「主語」を大切に、メッセージアウトしています。これが僕の働き方改革のベースの考え方です。
次にHDEという会社で、どんなことを行ってきたかをお話します。HDEは、クラウドのメールセキュリティーのソリューションを提供している会社で、業界70パーセントぐらいのシェアを持っています。ただしこのクラウドビジネスを始めたのは2011年からで、それまでは、企業のSI、ソフトウエアを下請けとして作っていました。この会社がクラウドソリューションにビジネスモデルを転換することで、事業構造が変化しました。
どんな仕組みに変化したかというと、左側はいわゆるITゼネコンの構造です。クライアントが上位にいて、下請けがいて、下にどんどんしわ寄せが来る。右側がクラウドサービスベンダーに転換してからのHDEのモデルです。基本的にクラウドのパッケージソフトウエアベンダーって、一番上位になります。そこで100点満点でなくて、80点で合格点というビジネスの形に転換しました。社員の残業は月60時間だったのが、転換後は月8時間になりました。要は、事業方法を自分たちでコントロールできるというレイヤーに変えたんです。結果、労働時間を削減できました。
ただそうは言っても、会社は右肩上がりで伸びていたので、2015年にたてた事業計画では、2020年にはユーザー数10倍、社員数2.5倍としていました。社員数については経営の意向なのですが、ただ、実現するための大前提は、労働生産を上げることでした。僕は一番初めに「採用の入口」を変えました。まずは100点満点採用。あえて採用基準を上げて、自分より優秀な社員を採用する。次に行ったのは、優秀なのに制約条件がある社員の採用。当時だと育休産休明け女性社員、シングルファーザーもいます。そしてもうひとつはグローバル採用。日本語ができないけれども、とても優秀な人財を採用していきました。結果、社員の20%が外国人になって、社内の公用語を英語にしました。
またこだわっているのは、仕事の環境を変えること。仕組みを変えるよりまずオフィスを変える。全てのデスクをフリーアドレス化して画一的ではないオフィス作りに取り組みました。これはすごく重要で有効です。環境がよければ社員のモチベーションは上がります。また、人事制度については、性悪説ではなく性善説で考えています。新しい働き方、ベストハイパフォーマンスが出せるような制度を構築しています。フルタイムフレックスですし、有給休暇も時間単位取得にしています。お子さんが急に熱出したときに、半休や1日休暇をとるところを、時間単位で出社可能にしました。あとはリモートワークの推奨、そして対象者制限のない短期介護休暇制度も設けました。親だけではなく、飼っている猫が死んでも当てはまります。要は、社員が一番大切にしているものが対象と考えているんです。
組織改革とは、オセロゲームの石を1つ1つ白に変えてあげるという話です。大体、社員4割変わればそこから自動的に変わっていくという感覚があります。全部を変えようとすると、ルールを変えなくてはいけないし、無理があると思うんです。ただ、社員の4割変えれば、組織はそこから変わっていくので、3割までいけばあと1割は勝手に動いていくものです。
では働き方改革とは。僕はこの2つだと思っています。まずは「事業構造の変革」。いくらチームが残業時間を削減しても、事業構造が変わらなければ、社員にしわ寄せが行きます。そこを改善していくことが大きなテーマだと思います。総務省の資料では、2015年に7500万人いる労働人口が、2060年には、4500万人になると予測されています。単純にいえば4割労働人口が減るわけで、4割の企業が雇用倒産するという状況になるわけです。それならば、労働力が減少しても事業継続できる、筋肉質組織を作るというのが、一番大きな働き方改革だと思います。
そして「多様な人財の活用」。多様な価値観に耐えられる組織作りです。いかにしてチューニングして合わせていくか、これが一番大事だと思います。そのためには制約条件がある人財やグローバル人財、ミドルシニアなど、今ある人財を活用していくことを考えていくしかない。
あとはキャリアの複線化、これは僕が自分自身で、「本気の複業」という人体実験を行っています。何社かに面接していただいたところ、フルコミットとフルタイム勤務がイコールで、という話になるんですね。であれば、在席義務なしを唯一の条件にして、受け入れていただいたのが僕が現在働いている企業さんたちです。複業というのは、労働量を再配分することなのだと思います。自分の持っているポテンシャルを一社だけではなくて、いろんな企業に分け与えていく。独立でもない、コンサルでもない、企業に属しながら複業をやっていく、だから人体実験なんです。
働くこと、働き方から生き方へと、全ての人が活躍できる世界ができれば、結果、働き方改革が実現できるのではないかなと思います。今日はありがとうございました。
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